夏草に負けて独りの古家かな
(20~30センチに位にはなりそう)
いくら取っても家の周りに生えてくる、なかなかしつこい雑草である。触っても閉じないから、オジギソウでないことは分る。
小枝の下に並んでいる粒粒が、ある種のシダ類の胞子嚢にみえて、私はこの草を好きになれなかった。
そのためこのブログでも今まで取り上げなかったのだが、ふと調べてみると、意外や、コミカンソウ(小蜜柑草)という可愛い草であった。
不快な胞子嚢に見まちがえられていた、小枝の下の粒々は、じつはこの草の実であり、これを小さいミカンに見立てて名前がつけられた。そういわれてよく見てみれば、枝の先のほうには、白っぽい雄花がさいている。これもほんとうに小さい。それから黄色っぽく見えるのは雌花であり、粒々は結実したミカンといわれるものだ。
(オンブバッタが食事中)
ミカンというからにはそんな味がするのかと思って、1粒前歯で噛むと、何のことはない、ただ味のない種だった。ほとんど、蟻の目から見た世界である。(参考:オジギソウ 触ったら一部が閉じた状態)