最も古い?火星人

火の星の地球に寄りくる熱帯夜
 
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(みえますかね?)

先日、火星が最接近するというので、久しぶりに夜空を見上げた。東の空に、大きくて赤い星がかかっていた。
 
SFでは、火星には火星人がいるということになっていた。ウェルズの小説をモデルに彼らはタコのような姿をしているが、このイメージからくる愛嬌が、火星の人気を高めたのではないだろうか。
漫画でも火星ちゃんというのがあった。
 
ところが、なんと4世紀の中国の古書に、火星人が出てきたので驚いた。
それは「捜神記」という奇談怪談集で、変てこな話ばかりで面白い本である。その中に「火星人の少年」という話があり、驚いて読んでみたので、紹介する。
 
話は三国の時代西暦260年、呉の国のこと、遊んでいる子供たちの間に不意に異様な子供が現れた。背の高さは4尺余り、歳は6,7歳、青い着物を着ている。そして、目は鋭く光って、らんらんと人を射るようだ。子供たちが怖くなって誰なの?と尋ねると、

「君たちは僕がこわいのか?僕は人間じゃあなくて火星なんだよ。実は君たちに知らせることがあるんだ。三国は、司馬氏のものになるぞ」という。

そして、さよならというと、身をちぢめ、躍り上がったかと思うと、姿を変えた。ふり仰いで見れば白い絹の布が長く尾を曳いて、天へとのぼって行くように見えた。ふわりふわりと次第にのぼっていき、やがて姿を消した。
三国はこの21年後に、魏にとって代わって司馬氏の晋が呉を平定し天下統一する。
(巻8、235 「捜神記」東洋文庫 竹田晃 訳 )
 
これが、今言う火星なのかどうかは、調べてみないとわからないが、火星はこんな古代から、身近に思われていたことは確かだろう。