稲の花

登呂遺跡田んぼは小さし稲の花

農道を散歩していたら、何かうっすらと香っている。

何だろうと見まわしたら、稲の花が一面に咲いていて、どうやらそれが香っているようだ。餅つきのときのモチ米を蒸らしているときの香りを思い出した。

稲穂は一斉に見事に出そろって、つんつんと上を向いている。花はモミの一つ一つから白くひょろっと出ているのが雄しべでそこに花粉がある。雌しべはモミの中にある。この雄しべが香っているようだ。

それにしても見事にそろって出るものだ。山形の花笠音頭の喜びががよく分かる。

 

♪ そろたァ そろたよ 踊り子そろた
秋の出穂より まだそろた (ハア ヤッショ マカショ シャンシャン)

日本人のコメ離れは急速で、農水省のホームページによると「昭和37年度は118kgの米を消費していましたが、令和2年度の消費量は半分以下の50.8kgにまで減少しています。」とのことだ。すでに米よりパンの方が家計支出が多くなっている。

私は朝ご飯はコメ食、味噌汁で、ほぼ一日に1合強のご飯を食べていると思われる。単純に一年で365合とすれば、一合150gとして年間約55Kgである。(実態はもう少し多いかもしれない。最近は食が少し細くなった。)昔の日本は1食1合、1日3合が常識だったそうだ。これを支えて田んぼが大活躍していた。

 

ウクライナの戦争映像を見ていると、地平線まで続く麦畑がでてくる。そしてオデッサの港から小麦を運び出すことが、何と大変だったかを思いしらされた。

因みにドイツは、先進工業国であるが大農業国でもある。国土面積は日本よりいくぶん小さいが、農地は国土の半分に近く日本の4倍もある。当然穀物自給率は高く100%を超えている。フランスは穀物自給率が170%を超えている。いずれも足を地につけている。ちなみに日本は、30%を切って28だという。

ロシアの侵略戦争で、食糧、エネルギー、情報の安全保障がにわかにクローズアップされ、稲の花を見てもいろいろ不安が募る気分だ。食糧安保を考えれば、私ももっと米を食べなければいけないかな?麺類を減らしてご飯にするかなあ、これ以上太るのも困るな…。などと秋に思う。