シャクヤクの誘惑

真っ白な芍薬「私と死ぬ気がありますか?」

 

庭には野草を気ままに伸ばしている。他人はこれを雑草というが、私にとっては野草なのだ。

ようやく春になるころセントウソウ、ハコベ、フラサバソウ、これらが地面を覆ってくるのをワクワクしながらみている。それらが蔓延ったころ、一部を残して整理する。すると今度は、ムラサキケマン、ジロボウエンゴサク、リュウキンカ、ヒトリシズカ、ニリンソウなどが次々に花をつける。そしてウラシマソウがひげを伸ばし、ヤブレガサが葉を広げ、キンポウゲがあちこちに黄色い点々をつける。キンロバイも次第に占領地を広げている。シャガが咲く。紫のコバノタツナミソウ、ジュウニヒトエもいい色に立ち上がる。

木々は馬酔木が終わり、山茶花が散り、椿が豪華に落ち散らし、三色桃が足早に葉を茂らせていく。

なんという贅沢な命、贅沢な時間、そしてなんという不思議なのだろう。

 

そんな庭に、シャクヤクが咲いた。私の花ではこれが一番豪華。真っ白な花びらを幾重にも重ね重ねて少しずつ開いていく。

今日は雨の朝となった。倒れないように麻ひもで結わえてあるが、花がいかにも重そうだ。