樹木発情、山大笑い

タイトルどおり、今、山は大変な風景だ。
シイノキの仲間などの照葉樹がいっせいに若葉を出し始めた。花も満開で、少し揮発性の甘さのある芳香を山から渓いっぱいに漂わせる。
遠目にはまるでカリフラワーのようだが、私には全山黴(かび)がはえて、地表がびっしりと黴の花に覆われ胞子が盛んにまき散らされてるようにみえる。深呼吸をすると肺にカビが舞い込みそうだ。
(冷蔵庫の奥の忘れられた野菜や肉のおぞましいカビ姿を見た恐怖にも近い気持ちも少し混ざる)

この年一度の大賑わいも束の間、山はあっという間に青葉の夏になる。
余計な想像だが、まだ蚊の出ないこの時期は、森の中で若い男女が愛を交わすには最適の季節でもあるだろう。

山笑う地表はすべて俺のもの

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