醂す(さわす)って?

柿の木に柿熟れるあたりまえのこと
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カキが秋の青空に威張っている。
柿熟れるを待ちこがれたる青さかな

日本の秋の風景の定番といえるのだが、その多くは渋柿ではなかろうか。
カキはもともと東アジアのものらしく、英語でもカキ・フルーツという。いまは世界各地で栽培されているが、その多くは甘いカキで、
「渋柿をうまくさわして甘くして食べるのは日本くらいだろう」。(「日本の樹木」 辻井達一著:中公新書) とのことだ。

引用したなかに、「さわす」という言葉が出てくる。
恥ずかしながら、私は知らなかったのだが、漢字で書くと「醂す」で、「味醂」ミリンのリンである。広辞苑を引くと、「柿の果実の渋を去る。」とある。漢語林には、「林は立に通じ、長時間立ち続けるの意。長時間にわたって柿を酒の中にひたして、さわすの意味を表す。」と解説している。
(・・・なるほど。あんまり使わない言葉だったが、便利そうなのでストックしておく。今日は無知の証明。)

で、3日ほど前に焼酎で「さわした」カキを思い出し、とりだしたら、うまい塩梅だ。さっそくトロトロを味わったのでした。
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先日干し柿を30個ほどつるして、今日また20個ほど追加購入。これも楽しみ。