寄生虫 ハリガネムシ

針金を産んで蟷螂鎌を垂れ

 

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(カマキリから出てきたハリガネムシ

 

庭先で何かが動いていたので、よく見たらハリガネムシがのたうっていた。気持ち良いものではない。その脇に呆然としたようなカマキリ。こんなのを見るのは、子どもの時以来だ。

ハリガネムシは黒い細長い虫で、写真のも20センチくらいはある。カマキリに寄生して、その体内で成虫になり、やがて尻から出てくる。彼らは繁殖のため水の中に戻る必要があり、恐ろしいことにカマキリの行動をコントロールして水に溺れさせ、自分は水中に出ていくのだという。本当かどうか調べたことはない。

かつては田舎の野原で見かけることが時折あって、子供らがワイワイと見ていたものだった。 

 

カマキリはもうあまり動かない。それにしてもあんな長いものがよくカマキリの体に収まっていたものだ。彼女に感情があるなら、驚きとやりきれない思いで一杯だろう。

 

寄生虫といえば、戦後は回虫などは驚くものではなかった。検便も今では大腸癌などの検査が多いが、昔は寄生虫の検査だった。尾籠な話で恐縮だが、私も検査に引っかかったことがあって虫下しを飲んだことがある。そしたら何かが肛門から出ているので、便所に行ってそれを引っ張ると、ずるっと抜けた。それが回虫だったと思うが、もちろん見てチェックしなかったから正体はわからない。

 

動物界にも植物界にも寄生する生き物はたくさんいる。人間も家畜に寄生している恐ろしい寄生生物なのだろう。社会の貧富の差は、人間が人間に寄生しているということかもしれない。公衆衛生上もよくないことだ。