フキノトウ男と女(キク科:New野の花365日)

庭に移植したフキがあちこちに飛んで小さな株になっていて、2月になるとぷつぷつと丸いフキノトウをもたげる。それを二つ三ついただいては、味わうのが春の楽しみである。
雪国育ちの私には、フキノトウには格別な思い入れがある。
そんな思い入れを増幅させてくれるのが、宇都宮貞子さんの「草木おぼえ書」。私のホームページでも何度も引用させていただいているので、改めて紹介はしないが、信州の野草と人々の生活を丹念に拾い集めたいわゆる植物民俗誌である。
この本で、フキノトウを「ほうきのほじろ」とよび、生活に密着していた植物だけに葉、茎、花、そして花茎などこまかな部位の呼び別けもあることを紹介していて興味深い。丸い玉を、フキッタマ、フキタンポ、フキボボ、かわったところではチャンメロなどともいったらしい。
また蕗を3種類に別けて認識している例もあげている。
けれどフキの花が雌雄異株なことには触れていない。どうしてなのだろう。案外気がつかないのだが、雄株と雌株があり形状が違うのだ。花の形は生活には関係なかったのかもしれない。よく見ると、やっぱり女性のほうがつつましいかな?


蕗にさえ雌雄のありて春慕う

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雄株

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雌株