春は黄色い花から(シリーズ風景の中へ13)

 
春先は黄色い花が目立つ。花が黄色にひらくと花の周りからフワッと暖気が伝わってくるような気がする。それは命の暖かさのようにも思える。
もう半世紀以上も前のことだが、まだ雪の残る寒い春早く、お祖母ちゃんの家に行くと、何十羽ものヒヨコが箱の中にいれられて、ピヨピヨピヨピヨとそれはもう賑やかに動き回っていたことを思い出す。防寒のために箱には厚く布を掛け、中に裸電球がつけられていて、それが一層のことヒヨコを黄色に見せた。その黄色は命の固まりそのものだった。子供らがのぞきこんでヒヨコに指を触れると、祖母は恐らくこう言ったんだろう。
「弱るがら、あんまり触っちゃえげねど・・・」
 
庭に咲いてきた雑多な花たち。黄色の花が陽射しのように温かい。
春の黄色の詩といえば暮鳥の「風景」の「いちめんのなのはな」。
それを俳句に変換してみた。


なのはなのいちめんのなのはなのはな
いちめんのなのはなのはないちめんの


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ツルキンバイ

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キンポウゲ(バッタの子付き)
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ハハコグサ
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モッコウバラ(誰かいるよ)
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イヌナズナ(近所に生えていた)
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クサノオウ(近所に生えていた)