岬の馬(シリーズ風景の中へ21)

宮崎県串間市都井岬に、野生の馬がいる。
大海原を背景に草を食む爽やかなイメージで人気の観光地となっており、牧場に入るには都井御崎牧組合に400円を払う。
岬の風景はやはり素晴らしく、私は海に向かって大きく深呼吸した。
初めは馬が見当たらなかったが、灯台の双眼鏡で探すと鉄塔の見える丘に姿が見えたのでそちらに移動すると、ようやく群れに出会えた。
頭が大きくて足は短く、体ややや小さめ。サラブレッドとは形が異なりあまり速く走れそうもない。鎧を着けて乗ったら潰れやしないか心配だ。毛並みも艶々とはいえず、ただ黙々と草を食んでいる。
どうやら野生と言っても、江戸時代の藩の軍馬の牧が粗放状態となり、いわば半野生化したものらしい。
そのうちに道路を歩いて来る群れにでくわした。あわてて車を脇に寄せ、カメラを取り出した。多分雄リーダーを先頭にして、数匹の雌と子供たちという構成で、全部で十数頭だったが、だまって歩いていて野生らしい凄みとか活発さは感じさせない。

牧場内の旅館数軒は皆閉ざされていてわびしい状態を見せている。陽当たりだけは南国らしくさんさんと降り注ぐ。
夏草や岬の馬は伏し目がち
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多分雌馬と仔馬:この前に群れの数頭がいた