野の花2種(New野の花365日)

アキノタムラソウ

漢字で書けば「秋の田村草」だが、田村は何を意味するか不明。ただしナツノタムラソウもあり、たんなるタムラソウもあるというが私は見ていない。

初夏から咲き始めて秋口まで長期にわたって咲いている。図鑑では秋の花だ。

山の草地などでは普通にみられ、とくに云々するほどの花ではないが、庭に持ち込むと、その紫色の花穂は初夏の爽やかな点景になってくれる。茎を1mほどに伸ばしてシソ科特有の形の花を次々に開花させていき、雨や風で倒れるので我が家では支柱が欠かせない。

これも山から一株採ってきたものだが、生命力が強く毎年良く咲いてくれる。

 
 

オトギリソウ

これも漢字で書くと「弟切草」で、弟を切るという物騒な名前がついている。昔、鷹匠の兄弟がいて、この草から鷹の治療薬を作っていたがそれは秘伝としていた。ところが弟が他人に教えてしまったので、怒った兄が弟を切り殺してしまった。その血痕が葉や花びらに残されている、という物語があるようで、我が家のものは斑点がわかりにくいが、陽に透かしてみると確かに確認できる。

対生する葉の付け根のところから花をつけ、時が移ろうとともに徐々に下の花を咲かせていく。これもなんの変哲もない花だが、毎年季節がめぐり決まったように小さい株から葉を伸ばし花をつけてくれると、嬉しく愛しくなり

「おお!いらっしゃい。きてくれましたね」。


少年のゆきて帰らぬ夏野かな


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アキノタムラソウ:シソ科



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オトギリソウ:オトギリソウ科