枇杷な毎日

上品に食べても枇杷の種 でかし
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サッタ峠:下に枇杷の木そして東名:
親指の先の雲に隠れて富士山がある。

枇杷をたくさん頂いて、毎日せっせと消費していたところに、また追加してひと籠いただいて、消費ペースをアップしている。そんな日に、少し足を伸ばして由比町(現静岡市)に、枇杷を見に行った。
枇杷といえば九州や千葉だが、静岡県でも由比町近辺が小さな産地である。由比町は、旧東海道の難所で今も山が崩壊し駿河湾になだれ落ちている。しかもJR、国道1号、東名、新幹線が集中する日本のいわばアキレス腱にあたる要衝の地で、国が崩壊を止める工事を続けているが、大地の動きは止められない。
このどこに枇杷の畑があるかというと、崩壊しそうな急峻な斜面が畑である。まあ日当たりはいいだろうが、農作業は危険を伴う。命綱も欲しいほどだ。その畑も放置が目に付いた。これも高齢化のせいだろうか。
昔の雰囲気が幾分残る崖下の旧街道を歩くと、農家の軒先に枇杷が並べてある。雨上がりの平日とて他に客の姿もない。枇杷は家にたくさんあるので、ここでは柔らかい紙に包まれた美しい卵のようなのを一つでいいから食べたいな、と思って探したが、品も薄く、いいものは見当たらない。適当に買いもとめて、サッタ峠まで登って(車で)駐車場で駿河湾を見渡しながら食べた。
…ところが、まったくまずい。味も駄目だし果肉も痛んでいる。今朝は雨だったためか、昨日収穫したに違いない。本場でこれじゃだめだよ。
がっかりして、帰宅して、いただき物の枇杷をほおばって、やっと文字通り溜飲をさげた始末。こちらのほうが美味い。徒労だった。
 
国の統計を見ると、枇杷の生産量は3000トン余。ミカンやりんごは80万トン余だから、その100分の一にも届かない。そんな少量でありかつ収穫期間がせいぜい10日ほど。味覚もまさに短期決戦である。