コバンソウ2種を(イネ科)

小判草ままごとの御金(かね)にもならぬに
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小判草とは、なかなか面白い名前をつけたもので、ただちに納得してしまう。一茶がこの草を知っていたら果たしてどんな句をつくっただろうかと思うのも愉快だ。ただし小判を知らない今の子供らにはよくわからないだろう。
ヨーロッパ原産のイネ科一年草で、小穂は2センチほど、観賞用として明治時代に輸入され、逸出帰化したもの。別名で「俵麦」ともいわれ、こちらもそれなりの雰囲気はわかる。
10年前は珍しい気がしたが、最近はごく普通に見られるようになり、一面に繁茂しているところもある。
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こちらは、姫小判草。こちらも同様、ヨーロッパ原産のイネ科一年草コバンソウよりはずっと小さく、4ミリほど。この種としては一番早く日本に侵入し、既に江戸時代には名を知られていて、ユレクサ(揺草)ともよばれた。確かにこちらのほうが古くから生えているように思える。

これは小さいので、私のような素人が息を止めて写真に撮るのが、大変である。
以上、浅井康宏著「緑の侵入者たち」(朝日選書)を参考にしたが、このほかに、より大きな宿根小判草、さらに大きく1mにもなるセイタカコバンソウ、ちいさなチャボコバンソウがあると同書では紹介している。
きょうも野原一面、小判が風に揺れている。愉快な風景だ。