ササユリが咲いていた (ユリ科)

ササユリや甲斐の空堀在りし跡
 
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(色はもう少し紅がある)
葉のスッスッと伸びた姿が、笹に似ているので笹百合と言われるようだ。

先日山梨県南部町の富士川を見下ろす山にあるアジサイ園に行ったら、駐車場の近くに保護されたササユリが何本も見られた。薄日の入る斜面の林の中、あちらこちらに1、2本ずつスッと立っていて、いかにも清楚な姿である。うっすらと甘い香りを漂わせていて、花弁はわずかに青を含んだ薄紅色。犯しがたい気品さえ感じさせる。
 
万葉集では、百合の字で10首出ているという。ユリにはヤマユリもササユリも含まれているとみられるが、関西にはササユリが多いので、万葉集でのユリは
「ササユリが中心だったのかもしれない。」(「万葉の花」桜井満 雄山閣
 
我妹子が家の垣内の小百合花 後(ゆり)といへるは否とふに似る(巻8 1503)
 (わぎもこがいえのかきつのさゆりばな ゆりといえるはいなとうににる)
「わが妻の家の垣の内のユリの花ではないが、ユリ…あとでというのはいやだというのと同じようなものだ」(口語訳 桜井満)
 
どういう状況なのか、いまひとつ解りかねるが、先に書いたブログの(多分)ヤマユリの歌もとてもいいので参考に。