コンブ漁を初めてみました

昆布干して鼈甲色の邨(むら)の朝
 
イメージ 1
(干しているうちに色が微妙に変わる)
北海道の道東にある浜中町は昆布の生産量が日本一だという。その町の霧多布の浜でコンブ干しを見てきた。ちょうど台風が過ぎ去ったあとの爽やかな朝だった。以下、垣間見た昆布干しの様子を。
 
昆布漁は、漁期や天気などで厳密に管理されているという。漁の開始時間に合わせて、1人か2人の乗り込んだ昆布船が、ヨーイドンで一斉に漁場へ向かう。非常に美しいアゼチ岬からこのレースのような風景を見ることが出来るようだが、私はそんなに早起きは出来なかった。
イメージ 4
アゼチ岬。ここからスタートするという。

イメージ 2
早朝一斉に出たコンブ船が協定により8時半で漁を打ち切り港に帰ってくる。港ではクレーン車で船から軽トラにかご毎に積み替えられ、それぞれ自分たちの干し場に運ばれる。そこにはお年寄りや女性が待っていて、種類や大きさなどで区別した後すぐに角砂利を敷き詰めた干し場に並べられる。時間との競争のようで、もくもくと作業が進められている。天日ですぐに干さないと、腐ってしまうのだそうで、陽のささない日は乾燥機にかけなければならないらしい。
干しながら裏返したりひだを延ばしたりしながら、夕方までに切って揃えて保存する。そうしてまた明日の漁へ。
泊まったペンションのオーナーの話では、船もクレーン車も干し場も、みな個人持ちで、共同化はされていないとのこと。コンブ漁は協業の試行はあったが上手くいかなかったのだという。そういう話を聞くと、浜には幾分張り詰めた雰囲気を感じてしまった。
 
イメージ 3
道東を走ると、人家のあるところくまなく昆布の干し場がある。おやこんな山の中、という場所にも見かけて驚くことがある。しかし漁期がおわると他の漁をする漁業者もあるが、出稼ぎも多いのだとの話も耳にした。
 
外国にはない日本の誇る伝統的な味、うまみの産地であるのに、こうした風景を見るのは初めてだった。知らないとことが多いね!