蓮の骨

蓮の骨踊る踊るよアンドゥトロワ
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蓮が枯れて、近辺の湿地ではレンコン掘りが始まっている。このあたりのレンコンは評判がよく店頭でもすぐに売れ切れてしまうらしい。出荷は正月前が最盛期となる。

俳句の世界では、花も最盛期のみを美としないようだ。
蓮でみてみると、
夏の季語には、「蓮の花」「蓮の浮き葉」など生き生きした言葉で、「蓮見」「蓮見舟」など風流なものもでてくる。
秋には、「敗荷(やれはす:破蓮とも)」という言葉があるのを初めて知ったが、その葉がおとろえて破れていく様を季語にしている。
これが冬になると、「枯れ蓮」「蓮の骨」など老残をさらす姿をまた季語に取り上げている。

日本人の美意識は、芽生えから枯葉まで、まるで獲物をしゃぶりつくすがごとく味わっているのがよく判る。
私も、むしろこうした季語から、枯れ蓮を見る目を教えられた。

絵画展などに出かけると、枯れ蓮の絵をときおり見かけるのだが、いわゆる西洋の名画のなかには、こうしたモチーフのものは私は知らない。(枯れ木や冬枯れ、紅葉などの絵はあるのだろうが・・・私が知らないだけかもしれない)
枯れ蓮を愛でるのは、日本的な感性なのかもしれない。