錬金術でユズ黄金

黄金柚子錬金術師も苦笑い

 

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小さいポットに植えたヒメユズが20個ほど色づいてくれた。それにしても、緑色の小さい実が立派な黄金に成長してきた様は、見事としか言いようがない。西洋中世の錬金術師も斯くやと思われる。

ひとつ採って味見をしてみたら、いい塩梅だ。ポン酢にでもしてみよう。

 

柚子は、秋の季語だという。でも私の近在では、いま温州ミカンが色づいている。信州ではリンゴが台風で被害を受けたが、静岡のミカンはさしたる被害もなく、蜜柑山は全山が黄金色になりつつある。ゆずは、これより少し早いだけである。これからミカンの最盛期が始まる。

 

牧野富太郎博士の「植物知識」を開いていると、いろいろな果物がそれぞれ違った部位が食用となっていることを、説明している。

たとえばリンゴは果実ではなく花托(花梗の末端)を食べる。イチゴも肥大した花托の部分(果実は粒粒についている)、バナナは果実の皮の部分、そしてミカンは果中に生えた毛なのだという。

ミカンの袋の中心部には種があり、毛はその反対の外側から中心に向かって生えていて、その毛が膨大して、それが食用になるのだという。

博士は「ミカンは、その毛の中の汁を味わっている、と聞かされると皆驚いてしまうだろうが、実際はそうであるからおもしろい」と笑っている。

もちろん、ユズもまた毛を味わうのであろう。