ウグイスとイソヒヨドリ

囀りや森の深くは暗きまま

(情けない写真だが、ウグイス)

最近家の近くにウグイスが毎日来て、早朝から美声を聞かせてくれる。

今年の彼は歌が上手くて、ケキョの部分を二度繰り返し気味に鋭く響かせ、これまで聞いたなかで指折りだ。このケキョが、街に響き渡る。窓から姿を探そうとするが、影は見えるものの動きがすばしこく、また逆光になるので姿を確認できない。居ることは分かるのだが・・・。

 

ところが、ウグイスのライバルが現れている。イソヒヨドリだ。

数年前から近くに棲みついているらしく、隣家の屋根や電線、家の庭などに姿をよく見せている。こちらは堂々と姿を見せるてくれて、近寄っても逃げないことがある。背中の色は地味な青黒っぽい感じだ。

普段から良く鳴いているが、特にこの時期のさえずりは素晴らしい。声は明るく透きとおって遠くまでよく通り、その鳴き方は複雑で多様だ。ウグイスよりも明るくて饒舌。

イソヒヨドリ

この二人が、鳴き合戦をすることがある。

ウグイスが鳴くとしばらくしてイソヒヨドリが鳴き、またウグイスが鳴きまたイソヒヨドリが鳴く。そうしてイソヒヨドリが息も切らさず怒涛の連続鳴きをすると、ウグイスが我関せずのように自分のリズムで一呼吸置きながら鳴いている。甲乙つけがたい。

 

でも、お互いに当然相手の声が聞こえているはずなのだが、どう感じているのだろう。縄張りを主張しあう意味があるのだろうか。

ともあれそれぞれ美声で、思わず手をとめ聞きほれてしまう。ウグイスが少し減っている感じがするので、この分だと春のさえずりの代表の座がイソヒヨドリにとって代わられる可能性がありそうだ。