富士市にSAYPEさんの地上絵

公園は老々介護と新樹かな

 

富士市の公園に巨大な地上絵が描かれた、しかも世界的に有名なアーティストが描いた、というニュースを見て、好天の爽やかな中、半信半疑で出かけてみた。

(写真は新聞から)

新聞情報によると、フランス出身のランドスケープアーティストのSAYPEさんという方で、世界各地の戦争や分断をアートの力で回避しようと制作活動をしており、今回はG7広島サミットに合わせたプロジェクトだとのこと。横120メートル、縦25メートルの作品を1週間かけて完成させたという。新聞の写真のとおり、絵柄は握手している手と手であり、左側はタツゥーがあって若者を意味しているという。SAYPEさんが世界各地で描いているパターンだ。残念だが、今日は背景の富士山は雲の中。

 

公園には物珍しさに人々が集まってきているものの、思ったほどの人出ではなかった。広い芝生の一部が白っぽく見えているのが、どうやら件の「作品」らしい。みなさん絵のまわりをまわり写真を撮ったり詮索し合っている。絵の中には踏み込んだ心無い足跡も見られる。

そしてやっぱり地上からでは、よく分からなかった。

小高い所に上ってみたが駄目。まわりをぐるりと回ると、一部指らしいパーツは分からないでもない。あまりにも巨大なので空からドローンで撮影しないと、全体がわからない。ペルーのナスカの地上絵もこんな塩梅なのだろう。

こういうサイズの桁が違うものを見せつけられると、自分の日常は地表面レベルを徘徊していて、およそ物事の全体像など見えていないのだ、という感慨が湧いてくる。それにしても近くのビルとか、もう少し見せるポイントがあってもいいんじゃないか、とも思うし、いや全体が見えないから面白い、とも思う。

ネットで見るとSAYPEさんは、世界各地の山の斜面や海岸、街のビル群の中など、さまざまなところに描いていて、それぞれ物語性が読みとれるのが親しみを感じさせる。

この絵はチョークと木炭が原料の塗料が使われているため約2週間で消えてしまうという。消えてしまうというのも、またいい。東洋的な一期一会を感じさせる。

 

それにしても老女の手を引いて散歩する女性の多いこと。