くわせもの作曲家ーまたはバッハの偽作(シリーズ♪ロ短調 2)

最近、佐村河内何某という詐欺師が世間を騒がせているが、実に不愉快な偽作事件だ。耳が聞こえるのか聞こえないのかという茶番まで付随している。疑いを知らない純情な音楽ファンをオレオレ詐欺に引っかけたようなものだ。彼の名は、この不潔な食わせ事件の記憶とともに永く不名誉に語られるだろう。
私は、現代のベートーベンというような触れ込みの際物は始めから敬遠していて、「Hiroshima」もきいたことはないのだが、クラシックのユーザーも欺瞞広告から身を守る知恵が必要な時代になったということか。
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少し意味は違うが、J..バッハの作品番号(BWV)の中には偽作がたくさんあり、バッハ研究の深化につれてそれらが次第に突き止められ排除されてきている。フルートとチェンバロBWV10311033などはよく知られてCDもおおいが偽作の疑いがあり「え!これも偽作」と多くの人は驚くのではないだろうか。かの管弦楽組曲にも、なんと第5番があって1963年のパイヤールErato版にはしっかり載っている。パイヤールは、これが大バッハの息子の作かもしれないと断りながら、「いつか聴衆によって解決されるだろう」と言っていたが、既に偽作に決している。これは聞けば直ぐわかる。
偽作が多いとなると、偽作を集めて聞きたくなるという変な衝動が湧くもので、写真のCDはバッハの偽作カンタータ集(BWV217222)なるものである。中で218219テレマンの作のようだ。当座ちょっとかけてみたが、買ってみただけでほとんど聞いていない。