トカゲの尻尾きり

切れた尾を誰に食わせた青トカゲ
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カナヘビですかね?)
庭にいるトカゲのうちの一匹だが、最近尻尾がない。事件に巻き込まれたのだろうか。
トカゲは尻尾を切って、敵がそれに気を取られている間に逃げることで知られている。「尻尾きり」は政治犯罪用語?にもなっている。

明治元年生れの生物学者丘浅次郎の、「生物学的人生観」(講談社学術文庫)はなかなか面白い本で、人生を論ずるにあたり、人間も生物だから生物学上の事実をもっと参考にしなさい、と一貫して主張している。生物とは「食うて産んで死ぬ」ものと定義し、その場面場面の多様な対応方法を列挙し、人間の特殊な面や生き物共通の面を説明してくれる。
トカゲの尻尾きりも、その第5章「食われぬ法」の「あきらめる」の部にでてくる。
鶏などにつつかれると、トカゲは尾を切って逃げるが、「後に残った尾は、胴から切れてもただちに死なず、長く活発にはねまわる」から、鶏はそれに気をとられてしまう。トカゲは一時尾なしとなるが、「暫時のうちにまた元のとおりの尾ができる」。
敵に食われずに助かるなら、尻尾くらいはお安いもの。政界では日常茶飯事である。
私も実際見たことがあるが、切れた尻尾がまるで逃げるミミズのように跳ね回ったことを、思い出す。これも政界と似ている。

この個体の近くにメタリックブルーの(ニホントカゲというのだろうか)が棲んでいるが、これら互いの関係は私には良くわからない。たまには出くわしたりするのだろうが・・・。