一番ながい日

頭垂れ蝉きくばかり六十秒
イメージ 1

終戦の日。お盆。故郷のこと、亡き父母のこと。自分の行く末。
いろんなこと思い出させる日である。
権力というものは、大嘘を平気でつくから気をつけなければならない。

父からは戦争の話を聞いたことがなかった。母からは、当時甲子園球場の近くに住んでいて海から敵機が頻繁に来たこと。町内会のバケツリレー訓練。木製の高射砲が敵を欺くために据えられていたこと、などをきいたことがある。しかし、本当の大変さは、田舎に疎開した後の生活だった。戦後父母は、文字通り無一物の中から歯を食いしばって生活をつくりあげてきた。私もそれを幾分か肌の感覚としておぼえている。