富士の裾野の枯れススキ

しばらくは富士を遮りすすき原

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ススキを見るには、もう遅すぎることは分っていたが、それでもと思い脚を伸ばした。
富士山の裾野、裾野市十里木。富士山と愛鷹山(あしたかやま)の間に広がる高原である。近くには富士サファリパークなどの観光施設や分譲別荘地が点在している。
私はしばらく行っていないけれど、ここに広いカヤトがあり、富士山の展望も開けているはずなのだ。

十里木高原に到着すると、案の定、カヤトは一面の枯れススキ。
国道469号脇には駐車場もトイレも整備されていて、きれいになってはいたが規模が小さくなったようで幾分落胆する。
それでも100mほど上にある展望台までのぼって、深呼吸をしてきた。
今日は富士山は雲に隠れてしまって見えないが、広いなだらかな裾野を見渡す展望は、日本屈指だろう。ススキは枯れているが、秋の日差を受けると全山が銀色に輝いて美しい。

まだ子どもが小さかったころ、道路わきに車を停めて、このポイントから越前岳(1504m)に家族で登ったことがあった。その時は雲の中を登って、濡れてしまい、山頂でもガスでろくに写真も撮れなかったことを思い出した。
カヤトを歩くと、リンドウやアザミの紫色が枯れ草の中に見出せた。マツムシソウらしき一株も見つけた。枯れすすき原だが、決して「寂しき極み」ではない。そして近くの自衛隊富士演習場からは、大砲の音がひっきりなしに響いてきた。