熊本の大地震

逃げまどう人を濡らすな春の雨

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2年前の阿蘇大橋
熊本の地震がなかなか収まらない。早く終息して欲しいものだ。大地が揺れるのはまったく恐ろしいことでこれが長期間続いている被災地の苦痛は察するに余りある。
 
私は2年前に熊本県から宮崎県辺りを走り回った。
熊本県の山地は川が火山灰の大地を鋭くえぐり、谷という谷はそれぞれがとてつもなく深かった記憶がある。昔は隣部落へ行くにさえ難儀したろうし、また深い谷から水を確保するのは至難のことだったろうと思った。
阿蘇大橋は跡形もなく崩落してしまったが、旅の写真を見なおすと一枚あった。これも深い谷を渡す橋の、あまりの高さに驚きついつい車を降りて撮影したのだった。
また肥後の一の宮阿蘇神社も参拝した。この辺りは本当に水が豊かな田園だった。江戸末期の楼門は、国の重文で阿蘇山と対峙するようにいかめしく威風堂々としていた。この楼門と拝殿が情けないほどぺしゃんこになった。残念としか言いようがない。
 
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2年前の阿蘇神社楼門
心配なのは通潤橋や霊台橋などの石橋である。通潤橋に水漏れの情報があるがひどいことにはなっていないようだ。民間の篤志家と肥後の石工が築き上げた、文字通り民衆の血と汗の建造物である。無事を心から祈りたい。南阿蘇村と震度こそ違うだろうが、これら石橋がこの地震に耐えて残ってくれたら、それが何か人間の尊厳みたいなものに繋がる気がしてしかたないのだ。