ノカンゾウ(ユリ科):子規の写生

カンゾウの花五里四方日蔭なし
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カンカンの堤防を歩いていると、いつもは見かけないところに、花が咲いて居る。どうやらノカンゾウのようだ。ヤブカンゾウよりも美しく、一服の涼を感じる。
 
たまたま、8月6日の子規の「病牀六尺」には、カンゾウを写生して楽しむ様子が書かれている。
 
このごろはモルヒネを飲んでから写生をやるのが何よりの楽しみとなっている。
(と書き出しているが、麻酔が切れて) 
午後になって頭はいよいよくしゃくしゃとしてたまらぬようになり、ついには余りの苦しさに泣き叫ぶほどになって来た。
(そこで服薬の時間には早すぎるのだが、午後3時半にモルヒネを飲み、)
それからまた写生をしたくなって忘れ草(萱草(かんぞう)に非ず)という花を写生した。この花は曼珠沙華のように葉がなしに突然と咲く花で、花の形は百合に似たようなのが一本に六つばかりかたまって咲いて居る。それをいきなり画いたところが、大大失敗をやらかしてしきりに紙の破れつくすまでもと磨り消したがそれでも追いつかぬ。・・・とにかくこんなことして草花帖が段々に書き塞がれて行くのがうれしい。
(8月4日の記事のようだ)
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子規のこの絵がみれないかとネットを手繰っていると、この写真にたどり着いて借用した。絵の一部を掲載する。野カンゾウの園芸種だろうか。子規余命あと45日ほど。