ツリガネニンジン(キキョウ科)

釣鐘草ジョバンニ目覚める夜の丘

イメージ 1

釣鐘型の花は、「銀河鉄道の夜」のカンパネルラを思い出させる。ジョバンニは夜の草むらで目を覚まして町に降り、カンパネルラが友達を助けようとして川で死んだことを、知るのだった。

さて、ツリガネニンジンとソバナは似ているので、どちらかなと考えることがある。私は、花弁から雌しべが外に出ているものを、ツリガネニンジン、そうでないものをソバナと判別するようにしている。もちろん花の形も少し違う。
同じツリガネニンジンと思われるものでも、花や葉のつき方に違いがあるようで、首を傾げることもある。

宇都宮貞子さんの「草木おぼえ書」では、「わくな」という名で出てくる。輪生している葉の形から枠菜というらしいとしている。別名で「トトキ」とも言ったようだ。例によって長野県北部地方の各地での呼び名を、たくさん載せている。トトキ、ワクナ以外にアマナ、ノノバ、ホトキ、ミネバなどの名が氾濫している。
トトキとワクナは、ツリガネニンジンとソバナの名前であるがどうやら各地でこれの混同がみられ、隣の村に行くと入れ替わっているような具合である。またトトキには「フクシマシャジン」もはいっている、という話も載っている。こうした微妙な区別は私にはなかなか難しい。

ついでながら、シャジンとは沙参で漢名でいうツリガネニンジンのことだという。