暗いところが好き=キチジョウソウ(ユリ科)

暮れ早し吉祥草(キチジョウソウ)は無口なり
 
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日当たりの悪い庭の、その一番悪い場所にキチジョウソウを植えたのはもう10年もまえのこと。地味なのでほとんど気も遣わないでほったらかしだが、しっかり生息している。たまたま庭木の枝を切ろうと木下に入ったら、足下で咲いていた。
おお、こんなところにいたのか!
 
つぼみは濃い紫、花は薄紫で、どことなく線香臭い雰囲気の花だが、この日陰の環境に開花すると思えば素晴らしい咲きっぷりだといえるだろう。
しかし暗いので写真がよく撮れない。写真も嫌いなのかもしれない。
 
そんな暗い場所でなくて2mほど移動すれば日当たりがずっといいのだが、出てこようとしない。まあ性格だからしょうがない。・・・というよりこれぞ住み分けの知恵なのか。

庭に植えたこの花が開花すると珍しいことなのでいいことがあるという言い伝えから、吉祥なる名がつけられたといわれる。しかし実は珍しくも何ともなく、花は普通毎年咲くのだが、暗く目立たぬところで咲くので家主が気がつかないというのが本当のところらしい。

私のあてずっぽうの勘は、こんな花にも太古の昔に照葉樹林とともに南からやってきたような過去を、感じてしまうが、もちろん根拠も何もない。