青い瞳 はるりんどう(リンドウ科)

あさねんぼ早よ目を覚ませ春りんどう
 
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(実物はもう少し色が深い)

アサネンボとはハルリンドウのことだという。
「朝、十分日光が照らないと咲かないので、遠州地方(静岡県の西部)では、
アサネンボと呼んでいる。」*1 
いかにも良く観察されたかわいいあだ名だ。きっと子供が名付けたのだろう。子供たちはその手の名人だから。
 
リンドウというと、晩秋の花という思いがしてしまうが、春のりんどうは小さくて優しく捨てがたい。先日農協の花のコーナーに捨てられたように置いてあったので、買い求めて植えておいたら、さっそく花を開いた。1センチ余りの小さい花である。
群青色というのか、深い海のような、吸い込まれるような色合いをしていて、見つめていると小さな神秘の世界に引き込まれそうな気がしてくる。
 
名札に「春りんどう」と書かれていたが、図鑑によれば、近種にフデリンドウやコケリンドウというのもあるというので、正確にはよくわからない。同じ本に、静岡県にも伊豆を除いて広く分布していると書かれているが、私は山野でみたことがない。

晴れていれば朝8時半ころには目覚めてくれる。その瞳のような青に会いに行くのがこの頃の朝の楽しみになっている。
 
*1 静岡県の自然 「春の植物」 静岡新聞社