刑務所の塀の上なり富士の雪
(静岡の刑務所:実景です)
雪をかぶった富士山は、当地では珍しくもない風景だが、しかし毎日見慣れた人にとっても、それは感動的に美しい。
もっと近くで見たいとおもって、富士宮まで車を走らせた。やはり近くで見る富士山は、見上げるほどに高く、まぶしいほどに白い。
外観がユニークだが、内部が螺旋状のスロープになっていて、あたかも富士山に登るがごとくに上り、その壁面を使って画像で富士山の自然・文化が紹介されていて、とても面白い。最上部につくとそこは展望スペースになっていて、写真を撮ると下のようになる。いわば、ここで富士山は一幅の絵となっており、また眺める観客自体が絵にくみこまれ、自分はその絵に登場しているという構造に仕組まれている。(と私は推測する。)
展望から富士山を見ている、来館者
世界遺産の説明展示は、掘り下げがなく通り一遍に思えるが、観光地なのでやむを得ない。
ただ、日本人にとって山が聖地であり六根清浄の修業の場であったことは、もうすこし鮮明に訴える方法があるようにも思えた。聖地という意味を失うと、世界遺産の意味がなくなり単なる観光地になるだろうから。
ただし、一茶にはそんな精神的価値は全く通用しないようだ。
なの花のとつぱづれ也ふじの山 (私の掲載句はこの句のパロディ)
田(子)の浦にうち出て不二見かゞし哉
夏のよや焼飯程の不二の山
夕不二に尻を並べてなく蛙