エドヒガンの古木を見に行く

参道を喘ぐ二人や桜降る
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(富士山が雲で見えていない、このあと顔を出した。)

富士川沿いの小さな集落、今は合併して富士市編入された北松野の妙松寺という古刹に、桜の古木をみにいった。
ちょうどタイミングが良くて、満開。風が吹くたびに花びらが宙に舞い上がる。その先を見ると、富士山の残雪が目の前で春の日に輝いている。

この桜は、寺の鐘楼門の手前に、大木が二本そろって夫婦桜といわれ、樹齢は200から250年ほど、エドヒガンかその雑種というのが正体らしい。老木だが、樹勢は旺盛。太くしかも背が高い。花はやや白っぽくもう葉の緑も適当に混ざっている。

桜の名所といわれるところは、往々にして最近植えられ、川筋に1キロとか何百本とか、その数を競うものが多い気がする。それも当然いいのだが、風景の真ん中に古木一本というのもいい。
むしろ私には、一本の方が霊威を感じさせるように思う。
今まで折に触れて書いてきたが、桜は神の降臨するいわゆる神籬(ひもろぎ)の意味があったのだろう。そういう意味では、何百本もあっては、天上の神様もこんがらかってしまうから。

ひとしきり春の日を楽しんでいると、雲に隠れていた富士山が見え始めた。いい桜日和だ。
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