きんぽうげ金ピカ

ペンキ屋の小僧ポタポタきんぽうげ
 
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庭のキンポウゲは満開になり、陽射しを受けて、それこそ金ボタンのようにピカピカ光っている。金色の花を見ているだけで、暖かになる。
足下をカナヘビが日向ぼっこしながら歩きまわっている。
 
この花は、数年前三河の山の中を走っているときに一株いただいてきたものである。水を入れ始めた棚田の畦道に、こぼれるように咲いていたものである。
 
信州へ中馬の道やきんぽうげ
 
ワイルドな花なのであちこちに種をまき、おや?ここにも、といった具合に花をつけ賑わわせてくれる。飲み会でいえば、お祭り男、といったところか。
 
あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ  山頭火
 
ところが、文学の世界ではあまり取り上げられることがなかった。芭蕉や蕪村、一茶にはちょっと調べたところでは、検索できなかった。よく調べたわけではないが、子規にも虚子にもなさそうだ。もちろん万葉集にもない。柳田國男の「野草雑記」は、野草の地方名をつぶさに比較して、日本の東と西に古い言葉が残っていることを示したが、その中にもキンポウゲは取り上げられていない。
かつては「うまのあしがた」と呼ばれたというので、それを調べても出てこない。つまり、何故かほとんど注目されることがなく、私の推測だが、現在ほどには広く分布していなかったとも考えられる。「うまのあしがた」などという名前は、あまり特徴を表しているようには思えないし、ということはこの花が地方限定的な分布だったことを表しているとも思える。
 
そんな中で、この山頭火の句である。
ちょっと見、良い句に思えるのだが次第につまらなく見えてくるのは、私のメガネの曇りかな。