立ち葵人無きバスの反転所
タチアオイは静岡の市の花に指定されている。徳川の葵の紋と関係づけたのだろうか。
この時季、いかにも初夏にふさわしく大柄な姿をすっくとたちあげている。夏の花のように思えるが、盛夏になる前に花期は終わってしまう。
道路の脇や空き地などあちこちに植えられていて、山奥の、限界集落のバス停にも、いかにも咲いていそうなのである。
花びらの元を割くとねばねばするので、それを顔につけて遊んだ思い出がある。赤い花びらは鶏のとさかのように見えるのだった。
戦後まだまだ道路の舗装などされていない時期、道脇の立ち葵が土埃にまみれていた光景が頭に残っている。