天高し山巓遠し道嶮し
(宝永火口の縁から山頂を仰ぐ)
先日友人らと4人で富士山ハイクにでかけ、絶好の秋晴れに恵まれた。
ところが、この日は秋の3連休、しかも夏山シーズンの入山規制が終わり、マイカーで新五合目まで入れるとあって、予想以上の混雑だった。私たちも新五合目駐車場まで行けずに、その下600mほどの路肩に空き見つけてやっと駐車したほどだった。
今回のコースは、新五合目から出て6合まで登り、降って宝永火口、御殿庭、がらん沢、そして高鉢駐車場に降りて来るというもの。下りだから楽勝だなどと嘯いていたが、きつい長い降りでガタガタになった。
ともあれ、快晴の青空に見える山頂付近、8合目の小屋の反射、赤銅色の微妙な色合いの富士山の肌。そして目を転じれば、雲の切れ間から見える富士市や沼津市、裾野市などの街並み、遠くに駿河湾と伊豆半島。正に神の視線といえる。
しかし何といっても素晴らしいのは、宝永火口のスケールの大きさと赤さびた山肌。日常にはない広闊な景観で、この中に入ると距離感やら時間の感覚が、すこし異常をきたすようだ。
足元には、紅葉し始めたオンタデ、少し盛りを過ぎた富士アザミ、そして林の中にはコケモモが熟れ始めていた。
(宝永第1火口を見る、ピークが宝永山:1707年に噴火)
友人のつけた行程メモを備忘で掲載する。
09:00 高鉢駐車場集合
09:35 新5合目まで600m付近の路肩に駐車 歩き出す
10:00 新5合目発
10:25 6合目
10:40 宝永第一火口の縁
10:50 宝永第一火口
11:10 宝永第一火口の縁に戻る
11:30 宝永第二火口の縁で昼食
12:00 宝永第二火口縁発
12:50 御殿庭下
13:50 ガラン沢
15:10 高鉢駐車場
歩行時間 5時間35分
(宝永第2火口の縁を降っていく:手前の数人が友人たち)
下山途中の御殿庭中あたりに、村山修験の修業場跡の碑があった。数年前に、村山浅間神社から登る古道が調査、復活されたというニュースがあったが、その道は現在の富士市と富士宮市の境あたりを通っていたようだ。両市境はこの古道と関係があるのかもしれない。我々が歩いた御殿庭コースよりも少し西側に当たる。
だが、ほぼ直登するルートなので、これはきつそうだ。一般の人が物見遊山で来ても、跳ね返されたのではないか。