2017-01-01から1年間の記事一覧

ツタンカーメンが満開

風要らぬ虫も要らぬと花えんどう (えんどうは、自花受粉で自分のDNAを再生産する それを説明しただけの俳句) 友人らといっぱい飲んでいたら、ある男が 「今度、美術館にツタンカーメンが来るようだね」 すると美術に詳しいやつが 「ツタンカーメンが来…

3.11

荒浜に今日は海哭け春ならい 三月のあの日の前や春の波 (仙台市の荒浜の被災地で 海岸の松林が残っていた(2013.05)) 「3.11」 改めてあの時の津波の映像を見直して、改めて、慄然とした。正直いまだもって、あの映像の前では、茫然自失する。 原発処…

ものの芽を3種

それぞれの宇宙樹めざす芽生えかな これは、芍薬の芽だけど。 既にしてあたりを払う牡丹の芽 これはオオバギボウシだけれど。 鬼の子のいま生え初むる牡丹の芽 これはシラン。もう伸びた。 生いさきを蔵(かく)しものの芽固きまま 今日は、庭の花の芽ぶきそ…

ムサシアブミの不思議なデザイン

枕もと浦島草を活けてけり (子規 :明治28年) 浦島草は、テンナンショウの仲間。ムサシアブミとは兄弟みたいなもの。 (句によれば、子規は枕もとに、浦島草を置いていたようだ。好奇心旺盛な子規らしい。 あやかって、私はムサシアブミを) ムサシアブ…

クリスマスローズの正体は

ほくそ笑むクリスマスローズはうつむきて 花は下を向いているものが多かったが、最近は改良が進んで顔を上げてきた。うつむき、などと気弱な表現をしたが、結構したたかにあちこちから芽を出してくる。 私は以前からこの花に、信用がおけない感じをぬぐい得…

大塚国際美術館とコピーとベンヤミンのこと

*今日のブログは、あれこれ妄想した個人的なメモの色合いの濃いものであり、読むに耐えなく、かつ時間の無駄になるので、アクセスされた方には申し訳ありませんが、そのままお帰りになることをお薦めします。 大塚国際美術館を訪れてすでに2月ほど経つが、…

ムサシアブミのロケット発射(サトイモ科)

角ぐむや命ロケット発射前 鉢のムサシアブミが、何を勘違いしたのか今年はもう葉を広げてきた。 庭で角のような芽を10cmほどに伸ばし始めたので、少し早すぎるなと危ぶみ室内に取り込んだのだが、その後も見る見る伸び上がって18cmに届いてきた。 で、…

神の「沈黙 Silence」

冬晴れや梢の先に答えなし 何か気になったので、マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙」をみた。遠藤周作の昭和41年の小説だから、もう半世紀前の作品の映画化ということになる。しかもアメリカ人の監督。なぜ今なんだろうなあと思いながら。 あらすじ…

リュウキンカ 火をつけたよう

リュウキンカ野に春の陽を点火する 庭の鉢植えのリュウキンカがもう満開を迎えた。この花は高原の湿原などではよくミズバショウと一緒に咲き、ピカピカした黄金色の花弁は昔の一年生の金ボタンのようである。この花が咲いていると風景が明るく感じられる。 …

ダルマさんはどこから来たのか

ダルマ市眼玉なき顔てんやわんや 張り子ゆえ中即是空の達磨かな だるま市は新年に全国各地で開かれるが、富士市今井の妙法寺の毘沙門天大祭に開かれるだるま市は、高崎の達磨寺、調布市の深大寺とあわせて日本三大だるま市といわれているそうだ。実はこれが…

冬の野菜たちよ

葱剥けば眠れる蛇の白さかな (もう半分は食べてしまった。) 趣味で畑をやっている友人が、土のついたままの野菜をどっさり持ってきてくれた。 下仁田ネギ、ほうれん草、キャベツ、メキャベツ、抜き菜、赤目、赤目でない芋。 冬の野菜は、うまい。本当に甘…

節分草が咲いた

セツブンソウおずおずと地の使者来たる 不思議なほど、ぴったりと節分に暦をあわせて花が来た。その律義さにつくづく感心する。 つぼみは数日ためらったようにしていたが、日差を浴びてやっと開いた。慎重である。 花弁のように見えるのは、実はガクであって…

ネーブルのおへそ

ネーブルや一つひとつのへその顔 知人からネーブルひと箱が送られてきた。箱いっぱいのだいだい色を見ていると心が高揚してくる。 ネーブルは本名ネーブルオレンジだが、ネーブルとは navel で、臍の意味だという。 へー?そう。 なるほど、いい名をつけた。…

2月の土から芽が

吹く風や二月の空に歌興る (花屋さん) 明るい色の花が欲しくなって、花屋で2鉢3鉢買ってくる。デージーは赤と白の苗を日当たりもいい所に植え込んだ。 日射しも風も春の予感に溢れていて、庭仕事をしていると口笛が出る。 よく見ると、もういろんな草が…

服部嵐雪の妻 烈

先日、ブログに「梅一輪」の句をあげて、服部嵐雪の奥さんのことを話題にした。 http://blogs.yahoo.co.jp/geru_shi_m001/65785889.html 江戸時代の1816年に刊行された「俳家奇人談」(竹内玄玄一著)に、「妻の名を烈といへるも、嵐雪の切(かえし)なりと…

凧は天空まで

凧あがれ糸尽きるまでラピュータまで (絵は、歌川国芳の「江都勝景中洲より三つまた永代ばしをみる図」部分 蕪村より半世紀以上後になる) 蕪村に、「凧きのふの空のありどころ」という句がある。好きな句なので以前にもとりあげたかも知れない。 凧はイカ…

梅いちりん

梅一輪信濃は今朝も雪らしい 2年前に大型ポットに植えた梅が、一つだけ花を開いた。まだ恐るおそる、といった風情だ。 この数日、全国的に寒波で荒れ模様。郷里の奥信濃もどか雪のようだ。当地は雪は降らなかったものの、3日ほど連続して薄氷が張った。そ…

スイセンの香り・・・ヘッセの詩から

水仙花今日の確かな雪消かな (ヘッセの水彩画) スイセンの香りは ほろ苦いけれど 優しい それが土の匂いとまじりあい なま暖かい真昼の風に乗って もの静かな客人のように窓から入ってくるときは。 私はよく考えてみた・・・・・・ この香りがこんなに貴重…

七草粥と子規の正月

青を咀めば根白の草の香り立つ 春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロということになっている。スズナは蕪、スズシロは大根。ゴギョウはハハコグサ、ハコベラはハコベ、ホトケノザは今でいうコオニタビラコであるらし…

人形浄瑠璃と「江戸時代人物画帳」(川原慶賀)

木偶(でく)廻し木偶をたちまち女にす 淡路島で人形浄瑠璃を見る機会があった。 ここの人形浄瑠璃は、国の重要無形民俗文化財に指定されている。かつては多くの座があり、大阪に伝播し文楽の基となるなど各地に伝わったが、次第にさびれ現在島内で常時公演…

青空たかくブーメラン

ブーメランくるくる気まま初み空 息子からオーストラリアのお土産にとブーメランをもらった。観光の土産品である。 ご存知のとおり原住民アボリジニの狩猟用具であり、獲物に当たらないときは、回転して手元に帰ってくるというのが、いかにも面白い。実は3…