日記

湯婆(ゆたんぽ)抱いて

独りでは無し湯たんぽ抱き寄せる ようやく冬になったようだ。初めて庭の水槽に薄氷が張った。草葉にも霜が降りている。 こんなことは、日本各地では普通のことなのだろうが、ここ静岡では、ことさら寒い日の現象なのだ。富士山も雪が少なく、夏の富士のよう…

寒中の杉林

寒の杉整然として伐らる待つ 近くの林道をウォーキング。 寒中の山気は凛として、心が洗われる思いがする。伐採された杉の香りが、肺一杯に流れ込んでくる。そして良く手入の行き届いた50年生ほどの杉木立が、真っ直ぐに空に向かって伸びているのを眼にす…

お賽銭箱にチャリン

初詣賽銭箱のみ新しき (地元の太鼓演奏も) たまには信心深くと思い立ち酔った足で近くの神社に2年参りに出かけた。旧の郷社で祭神はコノハナサクヤヒメ。初詣の日だけ、というより元旦前だけびっくりするような人出になる。日が揚るともう甘酒もないし焚…

あふれるミカンを誰が摘む

みかん山ころげる先に駿河湾 裏山が全部ミカンである。この時季は黄金の山。 農道を上ると、撤果したミカンが道のわきにたくさん転がっている。歩きながらそれを蹴ると、ころころと転げ落ちていくので、10個も20個も蹴りだして、どこまで行くか応援しながら…

綿虫フワフワにイライラ

パリテロの日も綿虫はふうわりと この時期、風花が舞うようにゆっくりと中空を飛んでいる。羽の力が弱いのだろう、飛ぶのがやっとという感じ。無理もない、本々はあのアブラムシであって、この時季だけ羽を生やして交尾に出かけるわけだから。 これが頼りな…

醂す(さわす)って?

柿の木に柿熟れるあたりまえのこと カキが秋の青空に威張っている。 柿熟れるを待ちこがれたる青さかな 日本の秋の風景の定番といえるのだが、その多くは渋柿ではなかろうか。 カキはもともと東アジアのものらしく、英語でもカキ・フルーツという。いまは世…

きれいなリンゴドクガの子

身支度をすれば日和の冬隣 おや、花かな?とおもってみれば、なんと毛虫だった。 黄色い長い毛がふさふさしていて、尻のほうに赤い毛を一束、すっと突き立てている。背中に黒いものが見えるので、さてこれは?と思ってちょいちょいとつつくと、ぐっと体を曲…

富士山は雲の上

雲の上は雲ひとつなし富士は秋 五合目の駐車から山頂を仰ぐ。ここからまだ1200mはある。 久しぶりに富士山の富士宮口五合目まで行った。曇り空を心配しながら九十九折を高度を上げていくと、どうやら雲の上に出たようで、色が一変した。そこは真っ青な秋の…

カマキリがバッタを食っている

カマキリや半日かけてバッタ喰う 13:30ころ 午後の玄関脇でこんな事件の一部始終につきあった(暇だね!)。先日私が片付けたゴーヤの藪に棲んでいた彼女が、自分より大きいおんぶバッタを捕まえている。左の鎌がバッタの胴の中央部を潰れんばかりに挟んで…

柿の守りは黒ヘビが

鵯(ひよ)呼べば柿はとろりと甘かろか 庭の次郎柿が色づいてきた、1週間ほど前、ヒヨドリがけたたましく叫んで仲間を呼ぶような気配。例年のことだが、そろそろ採ろうか、あと3日か5日か?などと気に病んでいるとき、決まってヒヨがやって来る。 で、今…

茗荷の季節

蕎麦に三つ残りは梅酢に花ミョウガ 庭の隅に植えてあるミョウガが少し採れた。既にたくさん市販されているが、自宅のものにはやはり愛着が湧く。これでお蕎麦を食べることにする。 ミョウガは苦味というのか、辛味というのか、どう表現すればいいのか迷うと…

トゲのあるほうがいい?

己が棘を持て余したり仙人掌 登って来たはいいけれど・・・ どういうつもりか、デンデンムシがサボテンの棘の中を登っていた。彼は何か勘違いをしたのだろう。こんな文字通りイバラの道をあゆむ必然がない。それにしてもサボテンの棘は、必要以上に鋭い。 (…

一番ながい日

頭垂れ蝉きくばかり六十秒 終戦の日。お盆。故郷のこと、亡き父母のこと。自分の行く末。 いろんなこと思い出させる日である。 権力というものは、大嘘を平気でつくから気をつけなければならない。 父からは戦争の話を聞いたことがなかった。母からは、当時…

ブドウは熟れたか

雨日風を蓄えブドウ時を待つ まだ少し早かった そろそろかなと思って、ブドウを初めて採った。 しかしまだ色も甘みも不十分。あと数日かな。 今年は、不思議なことに今まで何の被害もない。例年だと鳥や獣に袋を裂かれ、いかにも上手に皮だけを残して食われ…

「夏をむねとすべし」暑い!

葦簾アルミに替えて暑に耐える 暑くて手入れもしないので庭もぼうぼうだ。 暑い! 徒然草に、「家のつくりようは夏をむねとすべし」とあったのを思い出す。家は夏向きにつくりなさい、ということだろうが、兼好法師の言うとおり、先日京都は39℃まであがっ…

ハチ殺し

ハチを殺しその巣を捨てて迎え盆 10日ぶりに太陽が出た。やはり日が照らないといろいろと困る。 この長雨で、あちこちカビの匂いがする。プランターではミニトマトは表面が割れるし、キュウリも弱ってきた。野菜も値上がりだ。 で、日差しをとりこもうと窓を…

ミニトマトは数えられるか?

唇と遊ぼうよミニトマトくん 今年もたわわにミニトマトが実り始めた。やはり去年の今頃、トマトについて書いたことを思い出した。年々歳々花相似たり、だ。 http://blogs.yahoo.co.jp/geru_shi_m001/64593566.html プランターのトマトも元気だが、軒下のは特…

娘の赤い唇またはフシグロセンノウ

仙翁花(センノウ)や褪せて蜘蛛の巣かかるまま フシグロセンノウ 宇都宮貞子さんをまた引用させてもらうが、「夏の草木」に長野県の鬼無里のNさんの台詞がでてくる。 「ナデシコのでかいような形で、その赤させったら、よくよく十五、六の娘の唇(くち)の…

枇杷な毎日

上品に食べても枇杷の種 でかし サッタ峠:下に枇杷の木そして東名: 親指の先の雲に隠れて富士山がある。 枇杷をたくさん頂いて、毎日せっせと消費していたところに、また追加してひと籠いただいて、消費ペースをアップしている。そんな日に、少し足を伸ば…

枇杷いま旬

唇は汁とめられず枇杷かじれば (これは私の胃袋往き) 枇杷を近くの農家から親しい人に発送した。 自家用にはB級を購入、家で食べるにはこれで十分。たくさん(安く)買えるのは田舎住まいの特権だね。おすそ分けしながら、これ(写真)を数日で食べ切る。 …

蜘蛛の糸は一本

蜘蛛の巣は見えねど顔に糸わなわな ずいぶん細長い昆虫がいるなあ、ナナフシの仲間かな、と思っていたら実はこれは蜘蛛だった。オナガクモという種類で、胴(尾)が体の大半を占めている。手足を体に沿って伸ばしていると、枯れた小枝の破片にしか見えない。…

キュウリ初物!

初胡瓜うやうやしくも九谷皿 我が家の胡瓜の初物。 みずみずしくて甘くて、お店のキュウリとは違い土の味がして、一時感動した。 東側の窓のグリーンカーテンにと苗を植えたのが、5月はじめ頃だっただろうか。ずいぶん元気に伸び葉を繁らせて、もう収穫でき…

トカゲの尻尾きり

切れた尾を誰に食わせた青トカゲ (カナヘビですかね?) 庭にいるトカゲのうちの一匹だが、最近尻尾がない。事件に巻き込まれたのだろうか。 トカゲは尻尾を切って、敵がそれに気を取られている間に逃げることで知られている。「尻尾きり」は政治犯罪用語?…

みどりを喜ぶDNA?

みどり食む仲間すべてに栄えあれ 「みどりの日」。 実にうまい名をつけたものだ。野も山も一面の若々しいみどり一色で、命が輝いている。 みどり色がなぜ心地よいのか?それはおそらくみどり全てが食べ物に見えるからではないか。動物も昆虫も、飢餓に耐え長…

カマキリの世代交代

仔蟷螂うすいみどりに威厳あり カマキリが孵化してきた。生まれて直ぐに、確固たるカマキリとしての自覚があるようだ。餌となるちいさなバッタなども茂みにあふれている。毛虫もたくさん出てきた。蜘蛛も巣を張り始めた。 そしてトカゲも縁の下からチョロチ…

あんたが毛虫

這い出した毛虫となりて春を食う 出たばかりの木の芽に黒い毛虫がたかって食べている。フシグロセンノウの新葉をナメクジが舐め取っている。これらを目敏く見つけて処分する。 せっかく出たばかりの葉を、食べてはいかん! そしたら、隣の家から初物のタケノ…

mosoっと柳が芽吹く

mosomoso柳きみどりを吐いている 川辺の柳が、いっせいに芽吹いてきた。 薄緑色になる直前は、黄色の強い色である。(ヒワイロという伝統色があるが、そういう色に近いのかもしれない。)その色は数日で薄緑色になっていってしまう。この不安定な黄色が、い…

花にも空にも飛ぶもの賑やか

花馬酔木(はなあしび)メジロ隠してくすくすと 風もないのにアシビの花が揺れていたら、たいていメジロかヒヨドリの仕業だ。メジロは花のおちょぼ口の一つひとつにくちばしを差し込んで蜜を吸っている。人の気配に気づかぬほど真剣に吸い回っている。頑張っ…

春がこっちを向いた

土手青み老婆ひすがら独り言ち (土手のコハコベ) ぽかぽか陽気に誘われて、裏山を歩いた。昨日は20度を越え今日は18度になるという。下草が萌えるという季節が、いっきに過ぎ去りもう春の草が溢れていた。たんぽぽ、はこべ、ほとけのざ、いぬふぐりが一面…

啓蟄には早すぎ

啓蟄や這い出たばかりを殺さるる 夜中に目覚めトイレに立とうとしたら、部屋の隅に黒いものがある。眼鏡をしていないので、ぼんやりとしか見えないが、何か異物にはちがいない。照らしてよく見ると、 なんと、ゴキブリだった! まだ啓蟄には少し早い。 動き…