日記

ダルマさんはどこから来たのか

ダルマ市眼玉なき顔てんやわんや 張り子ゆえ中即是空の達磨かな だるま市は新年に全国各地で開かれるが、富士市今井の妙法寺の毘沙門天大祭に開かれるだるま市は、高崎の達磨寺、調布市の深大寺とあわせて日本三大だるま市といわれているそうだ。実はこれが…

冬の野菜たちよ

葱剥けば眠れる蛇の白さかな (もう半分は食べてしまった。) 趣味で畑をやっている友人が、土のついたままの野菜をどっさり持ってきてくれた。 下仁田ネギ、ほうれん草、キャベツ、メキャベツ、抜き菜、赤目、赤目でない芋。 冬の野菜は、うまい。本当に甘…

ネーブルのおへそ

ネーブルや一つひとつのへその顔 知人からネーブルひと箱が送られてきた。箱いっぱいのだいだい色を見ていると心が高揚してくる。 ネーブルは本名ネーブルオレンジだが、ネーブルとは navel で、臍の意味だという。 へー?そう。 なるほど、いい名をつけた。…

2月の土から芽が

吹く風や二月の空に歌興る (花屋さん) 明るい色の花が欲しくなって、花屋で2鉢3鉢買ってくる。デージーは赤と白の苗を日当たりもいい所に植え込んだ。 日射しも風も春の予感に溢れていて、庭仕事をしていると口笛が出る。 よく見ると、もういろんな草が…

青空たかくブーメラン

ブーメランくるくる気まま初み空 息子からオーストラリアのお土産にとブーメランをもらった。観光の土産品である。 ご存知のとおり原住民アボリジニの狩猟用具であり、獲物に当たらないときは、回転して手元に帰ってくるというのが、いかにも面白い。実は3…

柿を干せば

柿吊るすミロとマティスの青い空 今年もわずかばかりの柿を剥いて、ベランダに吊るした。もちろん柿は好物だが、こうして手間をかける、その手間がまた楽しいのである。二日ほどして揉んでみたら、もう相当に柔らかい。このところ曇天続きなので、黴ないか心…

秋ナスの気骨

秋茄子の気骨しみじみと頂きぬ 今年はナスを実によく食べた。ほぼ毎日欠かさず料理をして食卓に出した。 料理? もちろん私の手料理である。(それが料理といえるならば・・・) 揚げびたし、煮びたしでそれ以外は知らない。ナスは吸わせる油や出汁が決めて…

「ペンパイナッポーアッポーペン」の妄想的雑感

オッペケペ オッペケペッポー ペッポーポー (俳句じゃないけど、五七五) (滝田ゆう名作劇場6 「小舟の上で」から) 1 オッペケペ オッペケペッポー ペッポーポー これは川上音二郎の「オッペケー節」。明治時代、自由民権をこの節に乗せて主張した。「権…

エッシャーの不思議

美術館秋の日を閉ざして闇し 「昼と夜」 (『エッシャーの宇宙』朝日新聞社 より) オランダのいわゆる「だまし絵」の画家、エッシャーの企画展を静岡市美術館でのぞいて来た。90点ほどの作品が出ていて有名な絵はほとんど見られ、内容は充実していたし、夏…

せみ時雨

蝉時雨鳴き尽くしては死ぬばかり ヒグラシの涼しい林 熱い家を逃れて、車で10分ほどの林道に行ってみたら、27度で、涼やかな風が吹いていて、good ! 4,5時間ここで昼寝をして、笛を吹いて、発声練習をして・・・あとは蝉のこえを聞いていた。一応、熊が…

またブドウを食べられたこと

熟れブドウ獣がたべて我に蔕(へた) (これはまだ青いのに!) 毎年書いているが・・・、7月の末から、ブドウの被害が出始めた。 朝になると、折角の熟れたはじめたブドウが、無残に食い散らかされ、皮だけ下に積もるほど落ちている。我が家のブドウは、軒…

トンボ、アリ地獄、へび等の近況

水蠆(ヤゴ)でありしを不思議ともせず空を翔ぶ 水鉢のすぐ脇で羽化していたから、水槽にいたヤゴなのだろう。どうやら無事に変身を遂げることができたようだ。 かつて水中の昆虫、とくにゲンゴロウが面白くて飼育をしたこともあったのだが、その際に羽化が…

お化けキュウリ

キュウリ隠れて一尺五寸の大笑い (私のガラケーと並んで一枚:句はちと大袈裟) ちょっと軒下をのぞいたら、お化けキュウリが2本ぶら下がっていてびっくりした。雨が続いて3日ほど見なかったら、あっという間に大きくなってしまったようだ。もう蔓がたわ…

びるぜんさんた丸や(処女聖マリヤ)―5

告解(おゆるし)や母微笑めば夏の雲 (ロザリオの聖母:生月島山田地区で最も古いものと思われ、 十字が描かれていないので、 潜伏時代のものと思われるという。) 「かくれキリシタンの聖画」に見た聖母は、乳房を顕わにしてイエスにふくませていた。 http…

びるぜんさんた丸や(処女聖マリヤ)―4

天草や夕焼けて番う空と海 (天草市有明: 道の駅リップルランドの夕焼け 2014.05) 今回の熊本大地震は大分付近にも飛び火して、震度4クラスが何度か発生している。400年前の1596年9月6日、やはり大地震が発生し大津波によって府内(いまの大分市街)は…

笹もちのかおり

笹もちや父祖伝来の石の臼 奥信濃の妹から「笹もち」が届いた。この頃では珍しい食べ物になったが、現地ではスーパーで売っているのだそうだ。さっそく焼いて食べると、笹独特の香りが香ばしくて懐かしかった。 さて半世紀前の話だが、村では田植えが済むと…

びるぜんさんた丸や(処女聖マリヤ)―3

破天連は呪いか真言(まこと)か黒揚羽 (聖母子の掛け絵:生月島壱部地区びわの首ツモトの御前様:「かくれキリシタンの聖画」(小学館)39ページから借用) 「天地始之事」では、イヴはゑわ、アダムはあだんで、原罪のりんごは、まさんの木の実という。(…

びるぜんさんた丸や(処女聖マリヤ)―2

烈日や殉教の像爪先(あし)垂らし(長崎26殉教者記念像にて) (絵は聖母子。浮世絵ばりに大胆な絵柄である。乳房を出している聖母像は世界各地にあるのだろうか。「かくれキリシタンの聖画」(小学館)40ページから転用。) 丸やの出産の描写がまた田園的…

びるぜんさんた丸や(処女聖マリヤ)―1

蝶を追えば蝶に追われて野辺の道 「かくれキリシタンの聖画」より「受胎告知」 「びるぜんさんた丸や」とは一体何かと面食らうが、じつはびるぜんはポルトガル語のvirgemで処女の意味、すなわち聖母マリヤのことである。隠れキリシタンの口伝の聖書「天地始…

アサギマダラの雨宿り

夏の胡蝶を隕(お)として黒き雲速し 新東名の高架橋のしたで、じっとしている蝶を見つけた。多分アサギマダラだろうと思う。 午後から雲行きが悪く時おり突風がふき、雨も横から吹きつけ始めた。そんな中、おそらく一時の雨宿り、というより避難のためこの…

熊本の大地震

逃げまどう人を濡らすな春の雨 2年前の阿蘇大橋 熊本の地震がなかなか収まらない。早く終息して欲しいものだ。大地が揺れるのはまったく恐ろしいことでこれが長期間続いている被災地の苦痛は察するに余りある。 私は2年前に熊本県から宮崎県辺りを走り回っ…

富士山のサクラの園

満開の花に命を抱きとらる 富士霊園(静岡県小山町) 静岡と神奈川の県境の小山町にある「富士霊園」。富士山の広大な裾野ににひろがり広闊な景観とサクラで人気の場所だ。 少し早いかなと思いつつ訪れると、まさに満開であった。 「霞みか雲か」という言葉…

April fool のパラドクス

April fool 「私は嘘をついてます」 これでも一応俳句のつもりでいる。 April fool 、この頃余りはやらなくなった気がする。ネットなどでは、外国版のいわゆる「ドッキリ」番組がたくさんあり、だます方もだまされるほうも結構無邪気に楽しんでいる。だが日…

「たけのこ」宅配

竹の子や黙って二つ今朝の門 起きだして新聞をとりにでたら、玄関先に竹の子が置かれていた。採ったばかりでぬれている。どなたかが、薄暗いうちから掘り採って、届けたくれたのだろうか。たぶんあの人だろうが・・・。 それにしてもまだ3月だが、早々と竹…

ふべんの復権を

碁がたきは憎さも憎し懐かしし(古い川柳から) ついに囲碁がコンピュータに征服された。 先日、世界トップの囲碁棋士、韓国のイ・セドルさんが、コンピュータの挑戦受けて5戦し、なんと4敗。かろうじて1勝という全くの惨敗だった。下馬評では全勝で人間…

春気揺曳(かってに創作熟語)

束の間を笑い歌いて花ゆきぬ嗚呼人もまた斯くのごときか 今日はセンチな歌が口をついて出たので、臆面もなくそのままアップした。昔聞いたことがあるようなフレーズだが・・・。 写真は、やっと花開いたフクジュソウ。一月も前から芽を出してしまったので、…

蜥蜴でる

トカゲ出てまず縄張りをひとめぐり 啓蟄は、3月5日だったようだ。いつの間にか世の中は春色になっている。 ウグイスが3月はじめから聞こえてくる。すばやく庭を横切っていく影は、多分成虫で越冬するチョウだ。 トウが立った菜にもうハチやアブやハエなどが…

檸檬とレモン

硬いまま酸いままレモンもぎ取られ お隣から完熟レモンをいただいたので、色紙に描いた。写真の代わりに掲載。完熟のレモンは、ただやたら酸っぱいだけでなく味のある甘さがある。しかも大きい。田舎に暮らしているので、こういう本当の美味いものがいただけ…

凧揚げ・・・イカ揚げ?

天空に風はあるらし凧(いかのぼり) 遠州横須賀を走っていたら、田んぼに大勢が繰り出して凧揚げに興じていた。 陽気もいいし、空は抜けるように青く、「風は手頃」、なのだそうだ。青空を見上げていると、のどかな気分になり、現実の憂さを忘れてしまいそ…

草の芽

春よ春よ草の芽土から顔を出せ 先日まで、霜柱でざくざくしていたところだったが、よくみてみれば福寿草の芽。幾つかボッコリと脹らんで、もう少しで噴出してきそうだ。 咲いたらきっとまた報告することになるだろう。 実はこの福寿草は昨年買ってきて植えた…