2018-01-01から1年間の記事一覧

暑さに負けている

世界中ミサイル飛びかう猛暑かな おもちゃレベル+だが、一応はミスト 暑い。最近のあいさつは「生きてるか!」。 ミスト散水を庭にやってみた。面白いし効果も少しは? 特に京都や岐阜は40度を超え、命の危険をニュースが叫んでいる。 京都が暑いのは徒然草…

外来の鮮やかな蝶 アカボシゴマダラ

夕立をちゅうちゅう蝶一気飲み 小雨の中を散歩していて、珍しい蝶を見つけた。羽の端にあざやかな赤い斑点がある。これまで見たことがない蝶だ。 雨に濡れた階段脇のコンクリート面をから、夢中で水を吸っていて、2mほどに近づいたが、気がつかない。 スト…

大雨を嘆く

朝焼けや土砂掘り返す救出隊 朝焼けす御霊に安らぎあれよかし ひどい豪雨がまた西日本を襲った。現場の報道映像はあまりに悲惨だ。 広島県の大雨被害の記憶もまだ生々しいのに。 静岡でも1974年(昭和49年)7月7日(日)に大雨があり、これを「七夕豪雨」と…

島原の原城の「ずっきゃんきゃん」

背伸びしてパライソ見えたか夏の海 (長崎の古賀人形 ずっきゃんきゃん) 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」がユネスコで承認されたという。 数年前に長崎の浦上天主堂や大浦天主堂などを見学して、そこから島原、天草へ走ったことがあり、途中で…

6月のアユ、軽の子、蛇、雉 4句

軽鳬(かる)の子や早苗ついばむ真似をして 農道を蛇わたります一旦停止 若鮎の丸い眼のまま焼かれけり 雉鳴かず飛ばずただ立つ何かある

冷や奴と一茶のことなど

冷奴正六面体に鎮座せり 冷や酒と冷や奴は、私の定番。 俳句では両者とも夏の季語なのだが、私の場合はほとんどビールを飲まずに年中これだから、無季。 今日もチビチビやりながら、トランプだ金だ、新幹線殺人だ、真昼の駐車場略奪殺人だ、ああ大変な世の中…

藻の花と三好達治の詩

藻の花やこの沼時おり人を呑む (オオカナダモの花) 昔の沼や池は無防備だったから、時おり溺死事故があった。 郷里の集落の裏山に農業用の大きなため池があって、私が中学になったころだったか、そこでも人がおぼれ死んだことがあり、村の人は仕事をやめて…

早くも今年の実り 三句(新ジャガ、枇杷、青柿)

新ジャガをいただく九十の婆さまから 枇杷をもっていったら、おばあさん丹精の畑の新ジャガをいただいた。 新ジャガはずっしりと水のように重い。 枇杷すすり品なき様と嫌がられ 汁が滴りそうだから、しかたないよ。皇族方はいかにお食べあそばすや? 青柿や…

青梅が熟して

少年の尻を並べて青い梅 南高梅の苗を果樹ポットに植えて、3年目。背丈が1.5mほどになった。今年は花がたくさん咲いて、それを摘果して30個ほど実った。6月にはいると少しずつ色ついてきて、先日実が落ち始めた。 そろそろかなと思って、採りこんで置いてお…

初夏の野の花など4句

蛇苺カガシが一粒食べたとか カガシ(ヤマカガシ:蛇の種類) 魂魄に火を点けろとてセンノウカ 柿の花断捨離中です惜しげなく 毒毛虫ジャンヌダルクのごとく火で 体力気力が低下しているときは、俳句はいい遊び相手になる。 私にとって、俳句は人生や自然の…

合唱「赤とんぼ」から桑の実を思い出して

桑の実や昭和の子らよ野に歌え (合唱団「西の風」のみなさん) 「西の風」という女性合唱団の指揮をされている先輩から、演奏会に招いていただいた。 彼がこのかた20年手塩にかけて育てた合唱団であり、観客が大ホールを埋め尽くす盛況から本当に地元に愛さ…

ホトトギスはカッコウ?

ほととぎすオキヨオキヨッと日曜日 ホトトギス カッコウ (「bird song」 :主婦の友社 水谷高英氏のイラストをお借りしました) ホトトギスは、何時のころまでかカッコウであったかもしれない。 万葉集に坂上郎女の歌がある。 暇無み来ざりし君に霍公鳥われ…

ホトトギスを子規は知らない?

ほととぎす鳴くや漁港は昼休み (静岡市用宗漁港にて) 3日ほど前に、ホトトギスの鳴き声を聞いた。今年は早いような気がする。 ホトトギスの句といえば、杉田久女に清潔かつ雄渾な句がある。 谺して山ほととぎすほしいまま こういう句のまえでは、なまじい…

夏の鳥が歌う(オオヨシキリ、コアジサシ、アオバズク)

野鳥ファンではないので、ほとんど鳥には気がつかないでいるのだが、たまたま目立つ鳥を見聞きしたので、メモしておくことにした。写真は、静岡県静岡土木事務所発行の「麻機 遊水地の自然」をコピーさせていただきました。 ヨシキリや鳴いて葦辺を暑くせり …

子規の痛さを思えば

鎮痛剤きれたベッドや明け早し このところ10日ほど、痛みに責められ難儀している。 連休前に急に首肩に激痛が走り、診察してもらうと頚椎症で神経根が圧迫されているのだとのこと。痛み止めを処方されたが、うまく効いてこない。寝ても起きても、首をどう傾…

初夏のカタバミたち

むしってもむしっても酢漿(かたばみ)の花けなげ (カタバミの名は、片喰と書いて、4枚あるべき葉が3枚しかないことから、とも言われる) 句のごとく、実によく繁茂していくら取っても次から次へと生えてくるが、しかし不思議に悪意を感じない。黄色い花…

伊豆ジオパーク「柿田川」湧水へ

梅花藻や湧水毎秒二十トン (噴井をのぞき込む) 湧水が柿田川になる、梅花藻にはまだ少し早い 伊豆半島が、最近ユネスコにジオパークとして認定された。 ジオパークとは、地球・大地を意味するジオ( Geo)と公園を意味するパーク(Park)とを組み合わせた…

行く春の野の花3句

今年は春があまりに早く行ってしまい、野も花もすでに夏の風情になってしまった。 俳句には春を惜しむ句がたくさんある。私は直ちに 「行く春を近江の人と惜しみけり」(芭蕉) を思い浮かべる。 しかし、一茶はそうした風雅・情緒に浸ることは少なかったよ…

牡丹の句と蕪村

桃色の牡丹なりしが衣脱ぐ 少し早いが、もう牡丹が咲いていると聞いて古刹を訪れると、雨上がりに花は頭を垂れ昨日の雨を滴らせていた。一部はもう花びらを落とし始めていた。 蕪村には牡丹の句が多い。 牡丹散て打かさなりぬ二三片 この句は、特に際立った…

チゴユリ咲いて(ユリ科)

チゴユリや木漏れ日と何をひそひそ 下向いたままなので繊細そうに見えるが、実はチゴユリは結構しぶとく、毎年少しずつ株を増やしていく。ことしは数えてみると20弱の株になった。 もう6、7年前になろうか。三河の山奥の林道の脇に生えていた一株をいた…

花三句(草木瓜、リラ、君子蘭)

草木瓜や蟻や螻蛄と花見かな (くさぼけや ありとおけらと はなみかな) 安倍川堤防の法面に群生している草木瓜が満開だ。年中刈り取られているので背丈は10㎝もなく痛々しいが、なんの、びっしり花をつける。それを屈んで観る。 リラ咲くやピンクのシャボ…

青い瞳 はるりんどう(リンドウ科)

あさねんぼ早よ目を覚ませ春りんどう (実物はもう少し色が深い) アサネンボとはハルリンドウのことだという。 「朝、十分日光が照らないと咲かないので、遠州地方(静岡県の西部)では、 アサネンボと呼んでいる。」*1 いかにも良く観察されたかわいいあ…

さわらびの調べ

早蕨やグーで芽生えてチョキパーへ (野原での写真がみなピンボケで、仕方なしにこれ。) 今年は近場でワラビのとれる場所を見つけたので、歩くたびにふた握りほど摘んできて一晩アクを抜き、酒の肴にして楽しんでいる。ただし山中のものではないので、大き…

浦島草は何を釣るのか

なに釣るや浦島草の糸黒し 浦島草を図鑑では知っていたが、見たことがなかった。 そう簡単には目にすることができないだろうと思っていたのだが、なんと近くの林で数株群生しているのに気が付いた。時折通る場所であり、その葉も何度か目にしていたのだが、…

センボンヤリの風変わりな性行動

ああやっぱり不思議やなの芽生えかな 一年半ほどほったらかしにしておいた鉢に、何か芽が出てきた。センボンヤリだろうか。 実は、山で見つけた、多分センボンヤリと思しき花から種を取ってきて蒔いておいたのだが、去年の春になにも音沙汰がないので絶えて…

おれは春の餓鬼なのだ

春の餓鬼楤独活屈漉油(はるのがきタラ ウド コゴミ コシアブラ) (タラとコゴミ) 難読漢字みたいな句になったが、いずれも山菜。今がまさに旬だ。 タラは庭に2本の木が伸びていて芽吹き、早速頂戴した。 コゴミは隣家の親父が秘密の場所から毎年収穫して…

落ち椿

落ち椿いずれ真っ赤な決断を 落ち椿が美しい場所だというテレビ映像を見た。 それはよく手入れされた緑の苔がやや斜面になっている地面に花が落ち、花弁は転げてみな同一方を向く、すなわち斜面の下に向かって咲いているように見える、というものだった。そ…

虫たちにも春

啓蟄やいのち一年よろしくね (ナナフシ) 目の前の紙の上に、動くものがいる。 クモかなと思い、よくみるとナナフシの子だった。 生長すれば10センチは優に超す大きさになるが、まだ髪の毛よりも細いほどで、線書きのような体でしかない。 これが前後に少し…

ヤブカンゾウを食べてみる

春の野辺草つむ人の遠近(おちこち)に のどかな春の陽射しに誘われて堤防を歩くと、法面に草たちの芽吹きが始まっていた。あんなに待ち焦がれていた春が、いとも易々と一度にやってきてしまった。草たちも幾分あわてているようだ。 かがんで何かしている人…

ウグイスの本当の姿は?

里人にようやく初音を披露せり (「bird song」 構成 岩本久則 イラスト 水谷高英 主婦の友社発行) 先日、ウグイスの初音を耳にした。上手に鳴いてくれていた。 この声をきくと本当に春がきたなと感じる。「春告鳥」としゃれて言う人もいるようだ。 しかし…