2014-01-01から1年間の記事一覧

アサガオはアサガオ?

アサガオが咲いている。 蒔きもしないのだが、毎年種を落として芽生え、やたらにツルを伸ばしてくる。あまり無碍にするのも可哀想なのでほって置くと、結構見苦しい。そのうちに花をつけそれが其処此処で咲き始め、オヤ!と思うと、もう秋の気配が辺りに忍び…

ブドウをめぐるハクビシンとの戦い

毎年毎年、この時期は熟れたブドウを狙って何者かがやってくる。そしてようやく色づいた房から順に、袋を破って上手に食べ散らかしてしまう。その被害を見つけては怒り嘆く朝が続くことになる。(ちなみにブドウはデラが一本。房は軒下に150ほど) この2…

羽化できないものたち!

蝉の羽化は、皆な子どものころ、見たことがあるのではないだろうか。 夕方這い出した蝉の子を探して捕まえる。蝉の子は、ひんやり湿っていて、意外に重く、手にずんと応える。 部屋のカーテンなどにつかまらせておくと、暫くうろうろした後、羽化を始める。 …

カサブランカ(ゆり)随想(New野の花365日)

春に植えたカサブランカが大きな花をつけた。カサブランカとは、白い家の意味のスペイン語だそうだ。名前のとおりの白い花を2株で4つ咲かせ、狭い庭を我が物顔で見回している。朝夕に香りはするが、咽るほどの強さではない。 大きな花弁をしっかり横に保っ…

ギンミズヒキは小さな嫁御(タデ科:New野の花365日)

ギンミズヒキが、小さい花をつけている。1mmほどの大きさしかない。 春の山路を歩いたときに、葉にずいぶんと濃い模様のあるタデをみつけ、なにとは知らず一株いただいて庭の隅に植えておいたもの。ギンミズヒキだったのだ。 ミズヒキはガクが赤紅色をし…

ヒメヤブラン、オオフタバムグラ(New野の花365日)

堤防を散歩していて、見つけた野草。 句は、傍から見れば自分もそのひとりかと思うと、夏の河原にそぞろ秋風を感じてしまう。 行き交うは老骨ばかりの河原風 ヒメヤブラン (ユリ科) 堤防の斜面にたくさん生えていたが、草刈のあとらしく葉がみな切られてし…

冷えトマト(New野の花365日)

先日、台風8号が来るというので熟れたトマトを採りこんだ。風でゆすられると、みんな落ちてしまうだろうと警戒したのだが、幸いに私の地域は風も雨も激しくなかった。 といっても、たかがミニトマトを4株ほど植えてあるだけで、このごろ毎朝10~20粒ほ…

記憶のホオズキは(ナス科:New野の花365日)

太平洋戦争の末期、私の両親は尼崎から郷里の奥信濃に疎開し無一物の生活を始めた。この中で長女は腸チフスで亡くなっている。 集落の背後に100mほどの小山があって、上ると大きなため池があり、父母はその池縁の荒地を村から借りて開墾し、サツマイモやト…

オトコエシの暁(オミナエシ科:New野の花365日)

庭のオトコエシが、今年は5株ほど立ち上がってきて、今満開になっている。一昨年は移植して初めて一茎咲いたが、昨年はロゼット状のままで立ってこなかった。隔年に咲くというわけではないだろうから、来年はどうなるだろうか? この花は、オミナエシのよう…

ブドウに袋を掛ける

ブラジルがドイツに1:7で惨敗。台風8号が沖縄を襲来中。今日は32度まであがるという。 私は、毎年恒例のブドウの袋かけ。ブドウは日に日に大きく膨らんできて、緑の玉をギンギンに漲らせ、一途な青い炎のようだ。前歯でかむと、薬品のような酸が舌を侵す…

野の花2種(New野の花365日)

アキノタムラソウ 漢字で書けば「秋の田村草」だが、田村は何を意味するか不明。ただしナツノタムラソウもあり、たんなるタムラソウもあるというが私は見ていない。 初夏から咲き始めて秋口まで長期にわたって咲いている。図鑑では秋の花だ。 山の草地などで…

ギボウシ咲けども(ユリ科:New野の花365日)

庭のギボウシは、オオバギボウシというのが本名だと思われる。葉に斑が入っているのでフイリオオバギボウシとでもいうのか。この仲間は細かな区分がされていて同定が面倒だ。 山でもよくみるし庭にも植えられポピュラーなのだが、万葉集をはじめ古典にも登場…

装飾古墳の郷から(シリ-ズ風景の中へ24)

狗尾草(エノコロ)は匿うつもりか円古墳 (山鹿町:オブサン古墳 西南戦争の弾跡が石室の石に残されている。 よく手入れされていて感心する。) 引き続き、熊本県の八女、菊池あたりを歩いている。 大和王権の新羅征討を妨害した筑紫の国造、磐井は1年半の抗…

反骨の石人・石馬(シリーズ風景の中へ23)

囀りて石人めがけ雲雀落つ 江田船山古墳の近くのモニュメント石人 九州はまた、反中央の国だ。 以前「鹿児島神宮」で触れたことがあるが、司馬遼太郎が薩摩の国ことを日本国(中央政権)に5度反乱を挑んだ稀有の国、と書いていた。隼人の反乱から始まり5回…

チドメグサ2種を(ウコギ科:New野の花365日)

ムシムシとした梅雨らしい曇り空。 庭の花々の華やかな日は短く、主役が瞬く間に入れ代わる。主役たちの葉の下に隠れて、咲いている超マイナーな花を二つ。チドメグサ・・・この時期らしい草だと思う。 チドメグサ これは小さいけれどなかなか頑強で、ストロ…

石仏の千年(シリーズ風景の中へ22)

石橋や城砦や石像をみると、つくづく九州は石の文化だなと思う。 彫ったり削ったり積み上げたりと様々に加工されるが、自然岩石のもつ堅牢さ、ある程度以上には変えようもないその風合いの頑迷さというか、原初性とでもいうものが見る人の心を捉える。それが…

クワズイモの花(サトイモ科:New野の花365日)

クワズイモを植え替えもせず大鉢で育てて、もう何年にもなる。 食用のサトイモにそっくりだが、名前のとおり普通は食べない。(毒があるのかどうか調べたことはない)。大きな緑いっぱいの葉が魅力だが、冬は室内に入れると優に畳一枚ほどのスペースを取られ…

清酒で梅酒づくり(New野の花365日)

ウメの実の季節になった。先日、梅漬けやシロップ用を探して農協のマーケットにいったときに、ふと 「清酒の梅酒をつくろう」 と思い立って、南高梅の小玉で安価なものを試験的に買い入れた。 梅酒と言えば、焼酎35度が相場としたものだが、ある人から日本酒…

桔梗は秋?(New野の花365日)

庭の桔梗が、あきれるほどたくさん花をつける。これは矮小化された園芸種なので、私の桔梗のイメージとはかけ離れている。 それで、今年は背丈の高い桔梗の苗を庭に植えたところ、つい先日咲きはじめた。しかし色づきが薄いのでこれにも満足していない。 ・…

岬の馬(シリーズ風景の中へ21)

宮崎県串間市の都井岬に、野生の馬がいる。 大海原を背景に草を食む爽やかなイメージで人気の観光地となっており、牧場に入るには都井御崎牧組合に400円を払う。 岬の風景はやはり素晴らしく、私は海に向かって大きく深呼吸した。 初めは馬が見当たらなかっ…

落人伝説椎葉村で離合困難?(シリーズ風景の中へ20)

椎葉村と言えば、山奥、平家の落人、稗つき節、柳田國男。漠然とこんな知識しかなかったが、以前ちょっと話題になった89歳の女性作家の「見残しの塔」を読んで、ふと行ってみようと思い立った。室町時代に山口の瑠璃光寺の塔を建設した宮大工の話で、主人公は…

巨大石橋の美しさ(シリーズ風景の中へ19)

熊本県で巨大な石橋、霊台橋と通潤橋を見た。 見上げると空の上に石が並んでいる。なぜ石が空中に並んでいて落ちてこないのかと素朴な不思議にうたれる。 いずれも日本最大級、江戸末期の建設である。両方とも緑川に架けられたもので、このあたり川は渓とな…

石の橋がひっそり(シリーズ風景の中へ18)

熊本県宇城市からあこがれの通潤橋をめざして218号を走っていると、ヒョイと左手下に石橋が見えた。ユーターンして坂道を下ると、そこにあったのは「山崎橋」という石橋。建設が天保2年(1831年)、長さ25mという看板が出ている。もうじき200年になろうとしてい…

一の宮へ(若干のPR?)

退職後の楽しみにと、全国の一の宮参拝を始めて、もう8年ほどになります。 一の宮は律令制のもとで全国に置かれた国に一つずつおかれた神社です。地域の篤い尊崇を受ける1000年以上の歴史を有する由緒ある社で、66社を数えます。 一の宮めぐりのおか…

天主堂の落日(シリーズ風景の中へ17)

長崎から車を走らせて、諫早、島原城、雲仙火砕流公園、島原の乱激戦地原城址。 島鉄フェリーで口之津から鬼池にわたり、走っていると天草四郎と天主堂、キリシタン文化の香りが漂う。 ロザリオライン途中で日が暮れる。有明道の駅に併設の温泉に入り、今日…

3重連水車休眠中(シリーズ風景の中へ16)

5月下旬、大分県日田から筑後川沿いに久留米方面へ向かうに、高速でなく一般道を走った。それは朝倉にある大きな3重連や2重連水車を見たかったからである。実は30年ほど前に九州を旅したときに、ここに寄ってその迫力に魅了されたことがあった。あの感…

名もかなし艸千里浜(シリーズ風景の中へ15)

30年ほど前に、「われ嘗(かつ)てこの国を旅せしことあり」。 そのとき阿蘇の火口まで行ったのだが、雨と霧で何も見えなかった。 以来、火口や草千里ガ浜を見たいとずっと思っていて、やっと今回は願成就。 草千里といえば、三好達治。 若き日の我の希望(の…

空に咲くキリシマツツジ(シリーズ風景の中へ14)

5月から6月にかけ、マイカーで20日ほど九州をぶらぶらと走った。 九州の中央部、阿蘇山、高千穂町を経て、五ヶ瀬町、椎葉村へと、すれ違いの出来ない山間国道などを選択したくせに、文気を言いながら走りへとへとになった。 霧島では早朝霧島神宮に詣でたあ…

モネのパラソルの幻影

河原を歩きながら見上げると、堤防の上にパラソルの女性が見えた。 ああ、モネだ! 少し季節は違うけれど、 あんなふうわりしたスカートではなくて、田舎のおばちゃんだけれど、 光あふれる空と雲と風と、燃えるような草たちはモネそのものだ。 その途端に訳…

樹木発情、山大笑い

タイトルどおり、今、山は大変な風景だ。 シイノキの仲間などの照葉樹がいっせいに若葉を出し始めた。花も満開で、少し揮発性の甘さのある芳香を山から渓いっぱいに漂わせる。 遠目にはまるでカリフラワーのようだが、私には全山黴(かび)がはえて、地表が…