2014-01-01から1年間の記事一覧

一寸の這う虫

この時期、昆虫はもちろんだが、這う虫もたくさんいる。 葉の裏には、緑や黒や茶の毛虫や毛のないのが必ず隠れている。鉢や花壇の土をひっくり返すと、ヨドやカナブンの幼虫が飛び出してくる。 別に虫を愛ずるわけではないが、やみ雲に殺さないようにはして…

ウツギにくだくだしく(ユキノシタ科:New野の花365日)

卯月は4月だが、当地では卯の花は5月になって咲く。 季節もこのころになると、人はそろそろ花に大騒ぎをしなくなる。次々に咲く花に倦んでもこようというものだ。 卯の花について、折口信夫の「花の話」を読んでいると、卯の花の u と卯月の utu とは同じも…

寝ても芍薬(キンポウゲ科:New野の花365日)

我家の庭には野の花が多いのだが、唯一華やかなものがシャクヤクである。 日本芍薬という名前だから地味なほうなのだろうが、それでも華やかさは辺りをまぶしくてらし、いかにも初夏の明るさをもたらしてくれる。 古歌ではカオヨグサともいわれ、これは顔美…

サクラと民謡の考察?(♪シリーズロ短調4)

健康?のために民謡のクラブに入って半年。民謡には素朴な労働歌あり、しゃれたお座敷歌ありで実に多様な叙情の世界が広がっていて、いろいろ気づかされることがある。 ちょうどサクラの季節だから、サクラに関連した民謡はないか?コブクロや森山何某君が3…

いずれアヤメかカキツバタ?実は(アヤメ科:New野の花365日)

ほととぎす鳴くや五月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな(古今集:読人しらず) 庭に咲く写真の花は何なのか知らずにいたが、ふとその気になって色々調べてみた。一体アヤメなのか何なのか、これが意外に厄介だった。「いずれアヤメかカキツバタ」と言…

四月は残酷?

April is the cruellest month といった詩人がいた。 けれど四月はいい季節だ。 ツバメとスズメの囀り合戦で目が覚める。 ライラックは明けはじめた青空に花穂を伸ばして、柿は葉の黄色い緑、もみじは燃える赤。モッコウバラは満開、地表はコバノタツナミソ…

美しいオオバコ(オオバコ科:New野の花365日)

「ヘラオオバコ」と「ツボミオオバコ」を、特別に許可して狭い庭に住まわせている。 ヘラオオバコは大きくなるから一株だけ。それでも高さ50cmはゆうに越し、花穂も10本以上立つ。ツボミオオバコはあちこちに芽が出てくるのを、余り目くじら立てずに放…

春は黄色い花から(シリーズ風景の中へ13)

春先は黄色い花が目立つ。花が黄色にひらくと花の周りからフワッと暖気が伝わってくるような気がする。それは命の暖かさのようにも思える。 もう半世紀以上も前のことだが、まだ雪の残る寒い春早く、お祖母ちゃんの家に行くと、何十羽ものヒヨコが箱の中に…

神代のサクラに会う(シリーズ風景の中へ12)

神代桜という名前からして立派なサクラを見にいった。 山梨県北杜市の山の中、実相寺にあって、さすがにこの時期になると花は大方散ってしまっていたがなかなか貫禄も趣もあった。樹齢1800年とか2000年ともいわれるエドヒガンザクラで、国の天然記念物にもな…

誰の子?松の子(マツ科:New野の花365日)

隣家に大きな黒松の木がある。 遠くからは家の在り処の目印になっている。一年中小鳥がたくさん集まり、ときにはうるさいほど鳴きさえずる。3年ほど前はカラスが巣をかけた。大風が吹くときはザアザアと、いわゆる松籟を聞かせてくれる。なかなか良いものだ…

一人静が舞う(センリョウ科:New野の花365日)

我庭のヒトリシズカは、性格が慎重なのか芽生えが遅く、毎日今か今かと待っていたところ、2日ほど前やっと脹らんだ。と思ったら咲いてしまった。 咲く前の葉に包まれて白いものがみえる一瞬がいいんだ、という人もいるがこの歯ブラシもまたいい。 フタリシ…

タンポポを食べる

庭に数株のタンポポがあるが、その一株が、花を2、30も付けて少し威張りすぎなので扱いでしまった。今回は、そのふさふさした立派な葉を食べることにした。 といっても、さっと茹でて、ゴマ和えにしただけのことである。少しの苦味がやっぱり春らしい。お…

枝垂れ桜の秘密(バラ科:New野の花365日)

思い立って身延山久遠寺の枝垂れ桜をみに出かけた。 大勢の花見客に紛れ、きつい階段を上って境内に入ると、樹齢400年の銘木はまさに満開。花が地面まで届くほど溢れこぼれて咲いていた。 カメラを3台も担いだおじさんが、 「今年はこの3年で一番いい。雪で…

ミツバツチグリかな?(バラ科:New野の花365日)

春の丘に、花を探しに出かけた。 山桜がチラホラ咲き始め、キブシが咲き下がり、あちこちに赤っぽいのや薄い緑やらの木の芽が吹き出してきていて、歩いているだけで気持ちが高揚してくる。 写真は、ミツバツチグリかとふんだが、ヘビイチゴの仲間は似ていて…

お神楽のゴンゲンサマが飛んだ話(シリーズ風景の中へ13)

黒森神楽と能の「二人静」とを抱き合わせた異色の舞台を見に行った。東日本大震災3年目の応援という触れ込みのイベントである。 黒森神楽は、「打ち鳴らし」「清祓」「恵比寿舞」の3演目だけだったが、芸の高さに感銘した。舞は洗練され、ユーモアもたっぷ…

十坪の長閑さ(New野の花365日)

朝から陽射しが清かで暖かいと、それだけで幸せになるものだ。光の中で皆、命に溢れきらきらと輝く。 鶯が数日前から啼いている。そして例年この時期にやってきて囀っているのはアカハラだろうか?姿はいまだ見たことがない。 ヒトリシズカ、フシグロセンノ…

華やか!藤森の田遊び(シリーズ風景の中へ11)

焼津市の藤森の田遊びは、国指定重要無形文化財で、大井川下流域藤森集落の大井八幡宮の例祭として毎年3月17日に執り行われている。当日は午前中から神事が行われるが、午後6時頃からの芸能を見に行った。 未婚の男性のみで行われる掟になっていて、中学生…

チャボタイゲキだった(トウダイグサ科:New野の花365日)

高さがせいぜい2,30センチ。ひ弱なひょろひょろした感じだが、あちこちに芽生えてくる。 3年ほど前からの住民だが、誰だろう、いつか調べないとと思っていた雑草。実は持ち込んだナツトウダイが消えてしまって、その代理のように出てきたので、おかしい…

フキノトウ男と女(キク科:New野の花365日)

庭に移植したフキがあちこちに飛んで小さな株になっていて、2月になるとぷつぷつと丸いフキノトウをもたげる。それを二つ三ついただいては、味わうのが春の楽しみである。 雪国育ちの私には、フキノトウには格別な思い入れがある。 そんな思い入れを増幅さ…

庭の雑草住民票(New野の花365日)

暖かい春の日差しがうれしくて、ついつい庭にでて土いじりなどをしてしまう。 庭の雑草の花にも捨てがたい可愛さがあり、見ていて飽かない。ただし増えすぎず、絶えないようにいい塩梅になるように我流で調整しているので、そのあたりが家人との意思疎通が難…

なぜに破れたヤブレガサ(キク科:New野の花365日)

草花の芽は、いずれもかわいいものだが、ヤブレガサはまた特別ではないだろうか。 ムクッと男の子のチンチのように顔をだし(・・・ちょっと黒いが)、ゆっくり傘を広げる。 それが破れているからおもしろい。 葉は広いほうが効率が良いと思うのだが、これに…

酔っ払いの花祭り(奥三河)(シリーズ風景の中へ11)

無形民俗文化財に国が指定している奥三河の花祭りを見に行った。 始めに白状しておくが、実はお堂で飲みすぎた。 なにしろ振る舞い酒が並ではなくて、紙コップになみなみと何杯も注がれて、私は正直にみんな飲み干してしまった。そのため仮眠のつもりがぐっ…

セツブンソウの大群落(New野の花365日)

先日、奥三河の国道151号を走ると、まだ残雪があちこちに残っていた。遅いロウバイにツバキやウメが咲き始め、この深い谷間にもようやく春の兆しがみえる。 パンフレットに「セツブンソウ」が見られる、と書かれていたのでそれを頼りに新城市の奥の石雲寺に…

子鬼の角の芽吹き(New野の花365日)

暖かい日が続くと、あっという間に草花が芽をだし、花をつけてくる。 早春賦では「葦は角ぐむ」とうたうが、庭にも角ぐむ芽生えをするものがあった。 写真1は、ニホンシャクヤク。めぶきの色が実に美しい。 写真2は、オオバギボウシの芽。ずんぐりと太い。…

ツバキ1(玉之浦・・・遣唐使船)(New野の花365日)

庭のツバキが咲き始めた。「玉之浦」という品種で、一重の濃い紅の花弁を、鮮やかな白が縁取る。こうした縁取りを覆輪というそうだ。色合いは派手だが咲き方はやや地味で、花は筒状というよりはもう少しひらく程度。下を向いてこっそり咲く。この時期になる…

女性バイオリニストのソチオリンピック(シリーズ♪ロ短調 3)

バネッサ・メイという有名な女性バイオリニストが、ソチオリンピックに出場したことは、知る人ぞ知るニュースであった。彼女はシンガポール生まれの英国人だが、タイから、アルペン女子大回転に出場。結果はどうだったのか、知りたくていろいろネットを調べ…

鮭トバの味は

この冬は、北海道の親戚からいただいた鮭トバを堪能した。 鮭を皮付のまま、海水で洗って潮風で干したもので、普通は縦に細長く切ってある。硬いので、少し炙ったり、少しずつしゃぶったりすると、酒の肴にもってこいである。 鮭の肉と脂と塩気とが微妙な味…

若菜摘み・・・またはバレンタインデー

川辺の土手を歩くともうカラシナの芽がでてきていた。あと一月半もすると一面の黄色い菜の花になる。 このカラシナは、川辺景観のために蒔いたセイヨウカラシナで苦みが強いので私はあまり採らないのだが、ついはずみで一握り摘んでしまった。持ち帰って重曹…

くわせもの作曲家ーまたはバッハの偽作(シリーズ♪ロ短調 2)

最近、佐村河内何某という詐欺師が世間を騒がせているが、実に不愉快な偽作事件だ。耳が聞こえるのか聞こえないのかという茶番まで付随している。疑いを知らない純情な音楽ファンをオレオレ詐欺に引っかけたようなものだ。彼の名は、この不潔な食わせ事件の…

小鳥の餌台メニュー

先日、関東は記録的大雪だった。 静岡の町から周辺の山を見ると、少し白くなったのは、見当で標高500mから上くらいだろうか。それほど冷え込みはなく、穏やかな土地である。 少し陽が当たると、小鳥たちも賑やかになる。 節分を過ぎたこの時期、餌がなく…