2015-01-01から1年間の記事一覧

ヒガンバナの隠された過去

やり残したことありません ー 曼珠沙華 庭のシロバナ 赤と白の彼岸花が咲き始めた。(白萩も咲き出した) 花が咲くとその花について書かれた本を引っ張り出して読む。毎年同じ花が同じ頃咲くから、同じ頃、同じ本の同じところを読むことになる。 岩波新書に前…

木喰さんの笑い

木喰は笑いなされて堂の秋 秋がそうさせるのか、このごろ木喰さんの笑顔が思い出されてならない。 特に、3年前越後の柏崎十王堂で会った、写真のおびんずるさんが心から離れない。 木喰さんを微笑仏とも言うようだが、これは満面の笑みである。恐らくこの笑…

茗荷の季節

蕎麦に三つ残りは梅酢に花ミョウガ 庭の隅に植えてあるミョウガが少し採れた。既にたくさん市販されているが、自宅のものにはやはり愛着が湧く。これでお蕎麦を食べることにする。 ミョウガは苦味というのか、辛味というのか、どう表現すればいいのか迷うと…

トゲのあるほうがいい?

己が棘を持て余したり仙人掌 登って来たはいいけれど・・・ どういうつもりか、デンデンムシがサボテンの棘の中を登っていた。彼は何か勘違いをしたのだろう。こんな文字通りイバラの道をあゆむ必然がない。それにしてもサボテンの棘は、必要以上に鋭い。 (…

一番ながい日

頭垂れ蝉きくばかり六十秒 終戦の日。お盆。故郷のこと、亡き父母のこと。自分の行く末。 いろんなこと思い出させる日である。 権力というものは、大嘘を平気でつくから気をつけなければならない。 父からは戦争の話を聞いたことがなかった。母からは、当時…

ブドウは熟れたか

雨日風を蓄えブドウ時を待つ まだ少し早かった そろそろかなと思って、ブドウを初めて採った。 しかしまだ色も甘みも不十分。あと数日かな。 今年は、不思議なことに今まで何の被害もない。例年だと鳥や獣に袋を裂かれ、いかにも上手に皮だけを残して食われ…

「夏をむねとすべし」暑い!

葦簾アルミに替えて暑に耐える 暑くて手入れもしないので庭もぼうぼうだ。 暑い! 徒然草に、「家のつくりようは夏をむねとすべし」とあったのを思い出す。家は夏向きにつくりなさい、ということだろうが、兼好法師の言うとおり、先日京都は39℃まであがっ…

グレン・グールドと漱石

カナダのトロントはピアニスト、グレン・グールドの生涯の地である。過日トロントを訪ねた妹からの写真を見て知ったのだが、ここにはグールドスタジオがあり、グールドの像もあるようだ。像の写真を見ると彼は結構大柄だ。演奏するときの屈んだ奇妙な姿の印…

本当のナデシコ(ナデシコ科:New野の花365日)

なでしこや記憶の少女はキレギレに なでしこジャパンの活躍で、「やまとなでしこ」なんていう死語同然だった褒め言葉が復活した。一昔前の女性たちは、女性は太陽、ヒマワリという明るく、しかも強いイメージを旗印にしていて、ナデシコは従順で美しいだけの…

ハチ殺し

ハチを殺しその巣を捨てて迎え盆 10日ぶりに太陽が出た。やはり日が照らないといろいろと困る。 この長雨で、あちこちカビの匂いがする。プランターではミニトマトは表面が割れるし、キュウリも弱ってきた。野菜も値上がりだ。 で、日差しをとりこもうと窓を…

白い病(ハンゲショウ)(ドクダミ科)

半夏生白さは私の病気です 買ってきた植えたら、翌年からまったく白くならない。 いんちきだ!と思って放っておいたのだが、忘れていたら4、5年目の今年、一枚の葉が真白になった。周りが濃い緑なので、その白さは異様である。病気としか思えない。 ハンゲ…

「タケニグサ」当て推量

よくもまあとタケニグサは呆れられ 野原のいたるところに生え、2mをこすような呆れるほどの大柄な草である。葉の裏は白く、茎にも白い粉が吹く。農家にとっては困り者だろうが、その一種異様な風体は何かとぼけた可笑しみさえ感じさせる。 河原の株もこの…

ミニトマトは数えられるか?

唇と遊ぼうよミニトマトくん 今年もたわわにミニトマトが実り始めた。やはり去年の今頃、トマトについて書いたことを思い出した。年々歳々花相似たり、だ。 http://blogs.yahoo.co.jp/geru_shi_m001/64593566.html プランターのトマトも元気だが、軒下のは特…

ポポイ・・・または変なオペラ

友人に誘われ「ポポイ」という変わったオペラを観た。本邦2度目の公演というレアな舞台で、会場は静岡のAOIホールである。 原作は倉橋由美子の同名の小説で、台本・作曲は間宮芳生、演出は宮城聰。指揮は寺嶋陸也で3月に彼の作曲になる「「無一物の生」-…

棚田・・・美しい執念

奥山の田の小ささよ早苗鳥 久留米木の棚田 会社ぐるみのボランティア草刈 ふと、棚田を見にいこうとおもった。「日本棚田100選」を参考に静岡県遠江の山奥、旧引佐町の久留米木の棚田と旧天竜市の大栗安の棚田を探して出かけた。 遠州の奥山は、実に山が深い…

娘の赤い唇またはフシグロセンノウ

仙翁花(センノウ)や褪せて蜘蛛の巣かかるまま フシグロセンノウ 宇都宮貞子さんをまた引用させてもらうが、「夏の草木」に長野県の鬼無里のNさんの台詞がでてくる。 「ナデシコのでかいような形で、その赤させったら、よくよく十五、六の娘の唇(くち)の…

枇杷な毎日

上品に食べても枇杷の種 でかし サッタ峠:下に枇杷の木そして東名: 親指の先の雲に隠れて富士山がある。 枇杷をたくさん頂いて、毎日せっせと消費していたところに、また追加してひと籠いただいて、消費ペースをアップしている。そんな日に、少し足を伸ば…

枇杷いま旬

唇は汁とめられず枇杷かじれば (これは私の胃袋往き) 枇杷を近くの農家から親しい人に発送した。 自家用にはB級を購入、家で食べるにはこれで十分。たくさん(安く)買えるのは田舎住まいの特権だね。おすそ分けしながら、これ(写真)を数日で食べ切る。 …

蜘蛛の糸は一本

蜘蛛の巣は見えねど顔に糸わなわな ずいぶん細長い昆虫がいるなあ、ナナフシの仲間かな、と思っていたら実はこれは蜘蛛だった。オナガクモという種類で、胴(尾)が体の大半を占めている。手足を体に沿って伸ばしていると、枯れた小枝の破片にしか見えない。…

キュウリ初物!

初胡瓜うやうやしくも九谷皿 我が家の胡瓜の初物。 みずみずしくて甘くて、お店のキュウリとは違い土の味がして、一時感動した。 東側の窓のグリーンカーテンにと苗を植えたのが、5月はじめ頃だっただろうか。ずいぶん元気に伸び葉を繁らせて、もう収穫でき…

セイヨウヒキヨモギだった(ゴマノハグサ科:New野の花365日)

静岡市の郊外、あさはた沼をうろうろ歩いていたら、道脇に2株だけ、見かけない黄色の花が目に入ってきた。ゴマノハグサ科のようだが、私の手持ちの図鑑などでは同定できない。ネットで検索してようやく 「セイヨウヒキヨモギ」 という名前にたどりついた。 …

可愛いヒナギキョウソウ(キキョウ科:New野の花365日)

花に倦みて見上げる雲のはやさかな 川原のグランド周辺の砂地にあちこちチラホラと咲いている。ニワゼキショウにまぎれていていたせいだろうか、今まで気がつかなかった。 せいぜい20cm程度の頼りない細長い茎の上に、直径1~2cmほどの紫の花をつけてい…

刺しますよと、ノイバラ(バラ科:New野の花365日)

ノイバラの通しませぬと藪の奥 ご存知、始末の悪いノイバラ。野バラともいうが語感としては野茨(のいばら)が適当だ。 相変わらず私は気が向けば川原に出て民謡を唸っている。川原は風が爽やかな季節になった。で、その直ぐ脇に繁茂しているのがこのノイバ…

トカゲの尻尾きり

切れた尾を誰に食わせた青トカゲ (カナヘビですかね?) 庭にいるトカゲのうちの一匹だが、最近尻尾がない。事件に巻き込まれたのだろうか。 トカゲは尻尾を切って、敵がそれに気を取られている間に逃げることで知られている。「尻尾きり」は政治犯罪用語?…

みどりを喜ぶDNA?

みどり食む仲間すべてに栄えあれ 「みどりの日」。 実にうまい名をつけたものだ。野も山も一面の若々しいみどり一色で、命が輝いている。 みどり色がなぜ心地よいのか?それはおそらくみどり全てが食べ物に見えるからではないか。動物も昆虫も、飢餓に耐え長…

シャクヤクの艶な眠り

芍薬や後朝の衣重ねたり まだ眠りの中で閉じたままの花 芍薬が咲きそろった。私の庭の唯一の華やかな花である。この花は、朝は私より起きだすのが遅い。私が窓を開けてみても、しどけなく眠っている。 写真は、花弁を閉じたままの花たち。 季節のめぐりは恐…

吊り下げ形の白い花たちを紹介

スズランの丘を越えれば母の郷 今回は、家の庭や近くの公園で咲いている、下向きの白い花たちのシリーズ。みんなユリ科だが、なかなか区別のつけにくいものも多い。そそとした花形だが、意外に生命力があり逞しい。大きな黒い蜂などが蜜を吸いにきているが、…

カマキリの世代交代

仔蟷螂うすいみどりに威厳あり カマキリが孵化してきた。生まれて直ぐに、確固たるカマキリとしての自覚があるようだ。餌となるちいさなバッタなども茂みにあふれている。毛虫もたくさん出てきた。蜘蛛も巣を張り始めた。 そしてトカゲも縁の下からチョロチ…

星形の庭または信州の五稜郭の夢

花はまだ咲かずや佐久の五稜郭 五稜郭といえば函館をおもうだろうが、日本にはもう一つ、信州にある。 佐久市田口という田舎にある「龍岡城五稜郭」がそれで、今は堀と御台所の建物だけが残されていて、堀の中は田口小学校となっている。城を築いたのは、大…

あんずの里(風景の中へ36)

ミツバチとあんずの里を右往左往 4月3日、あんずの里を訪ねた。長野県千曲市のしなの鉄道屋代駅から東に入った山裾の集落一帯である。 ここも予ねてから、一度はと思いつつなかなか見れなかったところである。 前日の情報で、「アンズが開花した」と聞いた…